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C反応性蛋白

【読み】
しーはんのうせいたんぱく
【英語】
C-reactive protein, CRP
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】C-ペプチド
【意義・目的】 生体内に炎症や組織の破壊病変(心筋梗塞、癌腫、肉腫、Hodgkin病など)がある場合には、血清中に肺炎球菌のC多糖体と結合する蛋白(β、γ-globulinに属する)があらわれる。これをC反応性蛋白(C-reactive protein : CRP)と呼ぶ。C反応性蛋白は生体内で組織破壊が起こってから、14~24時間以内に血中に出現するが、活動期を過ぎれば急速に血中から消退する。C反応性蛋白による沈降反応は赤沈と同様に非特異的な反応であるが、炎症性疾患の診断においてははるかに鋭敏で、また陽性度でと病状の強弱によく一致して増減するので予後の判定に役立つ。
【検査法】 半定量法である毛細管沈降法が一般的であるが、近年、定量法である免疫比濁方(TIA法)が普及しはじめている。
 1) 毛細管沈降法
  【1】毛細管の先端を抗CRP血清に浸し、抗血清を谷右30mm吸い上げる。
  【2】つづいて、抗血清を吸い込んだ毛細管の先端を患者血清に浸し、さらに患者血清を30mm吸い上げる。
  【3】抗血清および患者血清を吸い込んだ毛細管の両端を指で塞ぎ、上下に数十回倒して両血清をよく混和する。
  【4】毛細管をゴム粘土に垂直に立て、これを37℃の孵卵器の中に入れ2時間反応させる。
  【5】次いで0~6℃の冷蔵庫に入れ翌朝まで放置し、沈降物が液底に沈下したところで沈降物の高さを測定する。
 2) 免疫比濁法(TIA法)
  【1】吸光度測定チューブに患者血清20μlを入れ、これに緩衝液(3%ポリエチレングリコール加10mMリン酸緩衝液)を加え、主波長340nm、副波長700nmで吸光度を測定する。
  【2】次いでこれに抗ヒトCRP血清50μlを加え沈降反応を起こさせ、主波長340nm、福波長700nmで吸光度を測定する。
  【3】両者の吸光度の差からCRP濃度を読みとる。
【判定・評価】
 1) 毛細管沈降法:沈降物の高さが1mmを(1+)、2mm(2+)、3mm(3+)、4mm(4+)、5mm(5+)、6mm(6+)、6mm以上を(6+↑)をする。1mm以下は(±)、沈降物がまったく認められなければ(-)とする。
 2) 免疫比濁法:濃度換算法によりmg/dl単位でCRP濃度が示される。正常値は1.0mg/dl以下。
 定量法である免疫比濁法はより客観性があり、病態を正確に把握できる。
 毛細管法で2+以上、免疫比濁法で3mg/dl以上の値は、確実に身体に病変が存在することを示す。