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自覚的聴力検査

【読み】
じかくてきちょうりょくけんさ
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】被検者の応答を必要とせず、他覚的に結果を判断することができる電気生理学的検査法に対して、被検者が検査音を聞いたかどうかの応答を、主観的に判断することのできる検査法をいう。
【検査法・結果】
標準純音聴力検査:種々の周波数の純音をオージオメーターを使用して、気導聴力、骨導聴力を測定する。外耳道閉鎖、鼓膜穿孔、老人性難聴、職業性難聴、Meniere病、薬物性難聴などの診断に用いる。
簡易聴力検査:(同項参照)
後迷路機能検査:脳幹部や大脳皮質部に発生した腫瘍、出血、外傷、老人性変性などによる難聴の診断に用いる。これらの難聴は両側性で、ひずみ音不明瞭、方向聴覚の低下を特徴とする。
標準語音聴力検査:録音テープを使用して言葉による聴力検査を行って会話聴取能力を調査する。難聴の程度、治療法、補聴器の選択などの診断に用いる。
内耳機能検査:内耳(迷路)は蝸牛、前庭、三半規管からなり、聴覚、平行感覚をつかさどる。内耳炎、Meniere病、流行性耳下腺炎、薬物性難聴、幼児性難聴、頭部外傷などが内耳性難聴に含まれる。レクルートメント検査、音の強さ、周波数の弁域検査などが行われる。気導と骨導の再聴力が同程度に低下する。
中耳機能検査:中耳は外耳と内耳の中間に位置し、鼓膜、鼓室、耳管を有する。中耳性難聴は障害のある場合が多い。特に中耳炎は、難聴、鼓膜穿孔、耳漏の3症状を示す。これらの検査を行うことにより、中耳炎、中耳奇形、中耳カタルなどの診断に用いる。
鼻腔通気検査:手指で一方の鼻孔を閉じ、他側から呼気を金属板にあて、その呼気斑により診断する。耳管狭窄、中耳炎、鼓膜穿孔などについて調査する。このほか、幼児の難聴に対しては、反射検査、遊戯聴力検査、ことばのききとり検査などがあり、できるだけ早期に難聴を発見し対処することが望ましい。