専門情報検索 お試し版

歯髄診

【読み】
しずいしん
【英語】
pulp test
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
1.露髄の診査 examination of residual pulp
【目的】齲蝕に断発した露髄(真性露髄、仮性露髄のいかにかかわらず)や健康な歯髄が外傷によって生じた露髄が長時間放置されたとき、歯髄は感染したものと考える。感染を受けた歯髄は保存療法で処置することは不可能で、歯髄除去療法に委ねられなければならない。また窩洞形成中に生じた偶発露髄など感染していない歯髄をそのまま放置したのでは、歯髄は自然治癒することはなく感染し崩壊してしまう。そこで、露髄の疑いがあるとき(不顕性露髄)は、感染の有無にかかわらず、露髄の有無を確実に知り、適当な処置を施す必要がある。露髄の疑いがあるとき、鋭利な探針で露髄部を穿刺することは歯髄に損傷を加えるばかりではなく、患者に不必要な反応性疼痛を与えることにもなるので避けなければならない。
露髄の有無の診査には象牙質と歯髄の電気抵抗値が異なることから、齲窩と口腔粘膜との間の電気抵抗(インピーダンス)を測定し、その絶対値が15.1kΩ以上では露髄はほとんど認められず、これに対して、15.0kΩ以下になると歯髄の確立はきわめて高くなる(富田)ことを応用したもので、本検査にはエンドドンティックメーター、オドントメーターなどが用いられる。特にオドントメーターは多機能型で、露髄の診査ばかりではなく、先端のプローベを交換することによって歯髄診断器、根管長測定器、ピン/ポストの植立位置の探査器としても使用することができる。
【検査法】測定には根管長測定に用いられるエンドドンティックメーター(ME)を使用する場合の測定方法は初期齲蝕の検査法と同様である。
1)歯面の清掃、防湿、乾燥および窩洞内への生理食塩水の滴下。
2)電極の1極を粘膜へつなぎ、もう一方の探針状の電極を窩底象牙質の露髄の疑いがあるところに接触させる。
【結果・評価】メーターの読みが30未満であれば露髄はなく、30以上であれば露髄あるいは仮性露髄があると判定する。
ルートカナルメーターを用いても測定を行うことができるが、測定時に歯髄に流れる電流が大きいので麻酔をしていない症例では痛むことがある。ルートカナルメーターでは目盛り32以上を露髄、32未満を露髄なしと判定する。
オドントメーターでは歯髄部に触れると“pertoration to pulp tissue”と表示される。
2.残髄検査 examination of exposed pulp
【目的】日常の臨床で全部除去療法(抜髄)を試みた後、根管の複雑さから根管内に歯髄の一部が残存してしまうことがある。残髄の形状によっては、生活歯髄切断法の治癒形態(象牙質による根管の閉鎖)を期待できる場合(生物学的根管充填法の応用)もある。しかし通常この残存歯髄は、不快症状を発現するばかりでなく、後の根管充填を不完全なものとし、予後に悪影響をもたらす。この際、残髄と根管息肉を識別する必要がある。
【検査法と結果・評価】
1)探針をX線写真を応用する方法:根管内に探針を挿入したとき知覚があり、あるいは探針の先端に軟組織の存在を感じたとき、その位置に探針を止めてX線撮影を行い、探針の先端が根尖で到達していなければ残髄の存在を示す。
2)リーマーとルートカナルメーターを応用する方法:リーマーを根管内へ挿入し、メーターの目盛りが40に達し、リーマーが根尖に達しても痛みを訴えないときは、壊死あるいは壊疽に陥った残髄を疑う。メーターが40に達しないで痛みを訴えたときは、生活している残髄が存在する。
3)根管洗盪時に冷水による疼痛を訴えたときは、生活している残髄が存在。
4)歯髄組織(残髄)に触れたときの痛みは鋭く、歯根膜(根尖部)に触れたときの痛みは鈍い。
5)接触麻酔を行うと、歯髄は麻酔されやすく、歯根膜は麻酔されにくい。