歯肉炎指数
- 【読み】
- しにくえんしすう
- 【英語】
- gingival index, GI
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】 歯肉炎症の部位と症状の程度を評価する指数である。
【意義・定義】 歯肉炎指数は歯周ポケットの深さ、骨の喪失の程度、歯周組織の量的変化を示すものではなく、もっぱら歯肉軟組織の質的変化を評価するものである。また、個人であっても集団であっても、炎症の広がりや程度を評価することができる。
【検査法】 明視下において歯肉周囲を乾燥させ、ミラーとポケット探針を用いて検査する。測定部位は歯肉辺縁部を頬側、舌側、近心側、遠心側の4面に分け、各部位について炎症程度を次の基準に従って0から3の点数をつけて評価する。
【評価】 歯肉が臨床的に正常であるときGIは0とする。歯肉は薄いピンク色またはピンク色を呈し、表面は平滑でスティップリングがみられる。ポケット探針によるプロービングでは歯肉が硬く挿入しにくい。
歯肉に軽度の炎症がみられるときGIを1とする。歯肉辺縁はわずかに赤色、赤青色を呈し、軽度の浮腫がみられる。また、歯肉溝より滲出液がみられることもある。ポケット探針で歯肉溝入口内壁を擦過しても出血はみられない。
歯肉に中等度の炎症がみられるときGIを2とする。歯肉は赤色、赤青色を呈し光沢を伴う。辺縁は浮腫のため肥大している。ポケット探針で歯肉溝入口内壁を擦過すると出血がみられる。
歯肉に高度の炎症がみられるときGIを3とする。歯肉は顕著な赤色もしくは赤青色を呈し、肥大している。ポケット探針によらなくても自然出血の傾向がある。潰瘍形成もみられる。
GI 1、2、3の評価は、出血の有無によって判定する。
指数の算出法はそれぞれの歯の4部位のGIを合計し4で割るとそれぞれの歯のGIとなる。測定したすべての歯のGIの合計を被検歯数で割ったものが個人のGIとなる。同様に、部位別または歯群別の指数を得ることができる。
GI=評価値の合計/被検歯面数
または
GI=被検歯の指数の合計/被検歯数