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歯肉の出血診査

【読み】
しにくのしゅっけつしんさ
【英語】
examination of gingival bleeding
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】 歯肉溝からの出血状態をめやすとして、歯肉の炎症の程度を判定し、歯周疾患を評価することである。
【意義・目的】 歯肉溝からの出血は、歯周炎の臨床症状のうち、最も重要な初期徴候の1つである。歯肉の発赤・腫脹・変色などのほかの臨床症状の評価は主観的に行われるが、出血の診査は、比較的客観的であり、安定したパラメーターである。
【検査法】 歯肉の出血診査は、通常指数を用いて評価する。
 1) 歯肉出血指数 gingival bleeding index:先の鈍なプローベを用いて、歯周ポケットに静かに痛くない程度に圧をかけてプロービングし、10秒以内の出血の有無を判定する。
 2) 歯肉溝出血指数 gingival sulcus bleeding index:各歯につき唇側、舌側、近心側、遠心側の4箇所の歯肉溝へ、プローベを注意深く挿入する。プローベは直径0.5mmで先の鈍なものを使用し、プロービングする時は、20~30gの力で行う。プロービング後、30秒以内の出血の有無を判定する。
【評価】
 1) 歯肉出血指数 GBI
  出血した歯面数を被検歯面数で割り%で表す。
  GBI(%)=出血した歯面数/被検歯面数×100
  GBIはGIと高い相関を示すといわれている。
 2) 歯肉溝出血指数 SBI
  0度:乳頭歯肉および辺縁歯肉は健全で、プロービングにより出血はしない。
  1度:乳頭歯肉および辺縁歯肉は健全で、色調の変化や腫脹はないが、プロービングにより出血する。
  2度:炎症のためにプロービングにより出血し、色調の変化がみられるが、腫脹や浮腫はない。
  3度:プロービングにより出血し、色調の変化がみられ、軽い浮腫性の腫脹がある。
  4度:プロービングにより出血し、明らかな腫脹がある。
  5度:プロービングにより出血する。また、自然出血し、色調の変化がみられ、高度に腫脹しているが、潰瘍形成はない。
 平均SBIは計算式により求める。
  平均SBI=SBIスコアの合計/被検歯面数