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充填物適合性試験

【読み】
じゅうてんぶつてきごうせいしけん
【英語】
examination of adaptability of restoration
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【目的】修復物の患歯への適合性が不良であると二次齲蝕の発生のみならず、口腔の機能の低下、顎関節への影響など他の疾患を誘発する危険性もあり、修復時には細心の注意と診査を必要とする。
1)辺縁形態について
修復物の辺縁は、残存・歯面と平滑に段差のないように移行させる。溢出部があると将来破折して段差を形成し、不足のときは最初から段差を形成して、窩縁歯質の破折、修復物の脱落、二次齲蝕、修復物の劣化、歯肉炎、変色の原因となる。
2)咬合面形態について
咬合面の形態は、咬合の高低、対合歯との接触部位と面積、咬合面の形態、隣接面窩洞では辺縁隆線の適切な高さと形態は特に重要である。
3)隣接面形態について
【1】隣在歯との位置関係:歯間距離が極端に小さいと不潔域が広がり、齲蝕罹患性が増すばかりでなく、咬合関係の不正、圧入した食片が刺激源となって、歯周疾患を誘発する。
【2】接触点:接触点の位置;前歯では唇舌的には歯の厚みのほぼ中央にある。長軸方向では歯冠の歯頂側1/4~1/5のあたりにある。臼歯では頬舌的に頬側より1/3のところにあり、長軸方向では咬合面より1/3~1/4のあたりにある。
接触点の性状;接触点の望ましい性状はa。強固な接触、b。点状の接触、c。接触面の滑沢である。
4)唇(頬)面形態について
唇(頬)面は食物の流れが円滑で、歯頸部歯肉を傷つけたり、不潔域をつくったりしないように配慮することが必要である。
【検査法・結果・評価】接触点の強固さを診査する方法(歯間離開度の測定)の1つとして、各種の厚みをもった金属板(コンタクトゲージ)を歯間に挿入する方法がある。
50μm厚さの金属板が加圧によってやっと通る程度の時が適当とされている。
簡便な方法として、塗蝋絹糸を応用する方法で、塗蝋絹糸を歯間に挿入してその抵抗感から測定する。
1)窩壁との適合性:鋭利な探針で診査する。スムースに移行すれば適合状態は良好である。また印象採得を行い印象面に移行部の存在が認められなければ良好である。
2)咬合状態の適合性:咬合時の左右側接触音の差を応用する方法(デンタルサウンドチェッカー)、術前術後の筋電図の違いを応用する方法(オクルーゾマスター、マイオモニター)。