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腫瘍シンチグラフィ

【読み】
しゅようしんちぐらふぃ
【英語】
tumor scintigraphy
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】悪性腫瘍に親和性のある放射性医薬品を投与して、それを陽性画像としてシンチグラムに描画することによって、腫瘍の良性・悪性の鑑別、他臓器への転移の診断、放射線治療や科学療法の治療効果の判定などを行う。放射線医薬品には67Ga-citrateがもっぱら使用される。しかし悪性腫瘍への集積機序はいまだよく理解されていない。
【適応疾患名】悪性リンパ腫の病期決定、治療後の再発の早期発見、原発性肺癌の縦隔・肺門リンパ節転移の検出に有用である。
顎・顔面領域では、上顎洞癌と一側性上顎洞炎の鑑別、頭頸部癌の他臓器への転移巣の検出に利用する。
【検査法】67Ga-citrateを成人で約111MBq(3mCi)静注投与、48~72時間後に中エネルギー用コリメータを用いてシンチカメラで撮像、顎顔面部は頭頸部全体として、300K countで正面と両側面の3方向から撮像する。全身像は、スキャンスピード32cm/minで前面と後面について行う。腹部の検査の必要なときは、検査前日下剤を投与するか、直前に浣腸を施行する。
【評価】涙腺、鼻腔粘膜、唾液腺、肝、全身の骨、骨髄など正常組織にも集積する。さらに炎症巣、ことに活動性炎症や膿瘍にも取り込まれるため、悪性腫瘍と炎症の鑑別はできない。しかし上顎癌と一側性上顎洞炎の鑑別には有効なことが多い。活動性炎症巣への集積を利用して慢性下顎骨骨髄炎の炎症の活動部位の診断にも利用される。