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心音図検査

【読み】
しんおんずけんさ
【英語】
phonocardiography, PCG
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】心臓の聴診を客観的に記録するために、心音の音のエネルギーを電気的エネルギーを変えて振動として記録することを心音図検査という。
【意義・目的】心音と心雑音を分析することにより、心疾患の診断の一助となる。聴診と比べて心音、心雑音を客観的に精密に分析でき、特に正常聴診限界(20~20000Hz)の下限に近い低周波の音(III音、IV音など)を正確に記録できる利点がある。
【検査法】マイクロフォン、増幅器(フィルターを内臓)、記録器にからなる心音計を用いる。マイクロフォンを置く部位は心尖部(僧帽弁領域)、第4助間胸骨左縁(三尖弁領域)、第2助間胸骨左縁(肺動脈領域)、第2助間胸骨右縁(大動脈領域)が基本部位であるが、症例により第3助間胸骨左縁(Erb領域)を追加する。内蔵されたフィルターにより低音を減衰させるが、その程度によって最低音心音図、低音心音図、中音心音図、高音心音図、最高音心音図が得られる。
【結果・評価】心音にはI音、II音、III音、IV音(心房音)、半月弁駆出音、房室弁開放音およびクリック音がある。このうちI音とII音は正常人で聴診される。I音は短縮期の始まりに起こる音でその主振動は房室弁閉鎖に関係している。II音は収縮期の終わりに半月弁の閉鎖によって起こる音で大動脈弁の閉鎖によって起こる大動脈成分と肺動脈弁の閉鎖によって起こる肺動脈成分からなる。III音は小児や若年者では正常で生理的III音と呼ばれるが、病的III音は心室代償不全や他の原因で聞かれる。IV音は正常時には聴かれることはなく、左室コンプライアンスの減少を示す。心雑音は血液の乱流によって発生する音で、収縮期雑音、拡張期雑音、連続性雑音に大別される。心臓、血管の器質的異常により発生するほかに、器質的異常がなくて発生する機能性雑音や心外性心雑音がある。