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真菌検査

【読み】
しんきんけんさ
【英語】
fungal examination
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】人や動物に対して病原性を有す真菌が検査の対象となり、真菌の感染によって生じる疾患を真菌感染症という。しかし放線菌類は、分類的には分裂菌類に属しているが、従来の慣習では真菌の項で述べられている。
【適応疾患名】一般的に真菌による感染が体の表在部(皮膚、爪、毛)のときには表在性真菌症でカンジダ症の皮膚型などはこれに属する。一方、表在感染から始まって皮下、リンパ、内臓、神経および骨組織にまで感染が及ぶときには深在性真菌症といわれアクチノマイセス症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、カンジダ症などがある。これらの感染は原因菌を解明しないと疾患の治療放が確立されず、ときとして、皮膚および口腔内に常在する菌が、菌交代現象によって特異な感染症として生じることもある。
【検査法およびその評価】
1. 直接検査法
 1)新鮮標本:患部からできるだけ無菌的に、新鮮な病変部より採取し、菌体の存在を顕微鏡的に検査する方法であるが、検査は菌の特殊性より数回実施することが望ましい。菌体はやや透明な菌糸または胞子として認められる。
 2)染色標本:検体材料の染色標本は真菌検査に限らず、一般的になされる方法であるが、真菌はすべてグラム陽性、PAS染色陽性であるので形態的に、また、染色の程度により鑑別が容易である。
2. 培養法
菌の確定には培養によらねばできない場合が多い。しかし、菌の分離には検体材料中に多くの細菌が混在しているので、病原細菌類が発育できないような酸性の強い培地および抗生物質添加培地が用いられている。しかし、アクチノマイセスは真菌と異なって抗生物質の添加培地では発育できず、さらに嫌気性菌であるので嫌気性培地を用いなければならない。
真菌培養温度は37℃または室温でカンジダは比較的発育が早く、37℃、48時間で直径1mm程度の乳白色の集落を形成する。他の真菌は一般に発育がおそく、数日から10日を要するものもある。
3. 鑑別同定
真菌類は主として菌糸、胞子の特徴ある形態によって鑑別同定されるが、その方法としてはスライドカルチャー法、蛍光法、動物試験法、免疫学的検査法などがある。