心電図検査
- 【読み】
- しんでんずけんさ
- 【英語】
- electrocardiography, ECG, EKG
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】心筋の電気的興奮により生ずる電位差を時間的経過でとらえ、曲線として記録することをいう。
【誘導法】右手、左手、左足の3つの導子のうち2つの導子間の電位差をみる双極標準誘導（第I、II、III誘導）、右手、左手、左足の3つの導子の電位和が0となるような中心電極を不関電極として、右手、左手、左足との間の電位差をみる単極肢誘導（aVR、aVL、aVF）、右手、左手、左足の3つの導子の電位和が0となるような中心電極を不関電極として、胸壁上の6つの関電極との間の電位差をみる単極胸部誘導（V1-6）が用いられる。
【記録法】25mm／秒の速さで記録するのでは1mmは0.04秒となる。電圧は1mVにつき10mmの高さで記録される。
【正常心電図波形】
1）P波は心房の脱分極により生じ、正常値は幅0.11秒、高さ2.5mm以下である。
2）PQ（PR）間隔はP波の始まりからQRS群の始まりまでの時間で、房室伝導時間を表わす。正常値は0.12～0.20秒である。
3）QRS群は心室の脱分極により生ずる棘波で、その間隔の正常値は0.10秒以下である。
4）T波は心室の再分極により生ずる。
5）ST部分はQRS群の終わりからT波の始まりまでの部分で、正常では基線上にある。
6）QT間隔はQ波の始まりからT波の終わりまでの時間で、心室の全収縮時間を示す。これは心拍数により変化しうるので、一般にはBazett補正式（QTc＝QT間隔／√R-R間隔）から認めたQTcを使う。QTcの正常値は0.44秒以下である。
7）U波はT波のあとにみられるT波と同じ方向のフレで、心室内プルキン伝導系の再分極の遅延のために生ずるともいわれている。
【評価】心電図の異常から次のことがわかる。【1】肥大（心房、心室肥大）【2】心室内伝導障害（左脚ブロック、右脚ブロック、末梢性左室伝導障害）、【3】冠動脈疾患（心筋虚血、心筋梗塞）、【4】房室伝導障害（房室ブロック、房室接合部性頻拍）、【5】心房性不整脈（心房性期外収縮、発作性心房性頻拍、心房粗動、心房細動）、【6】心室性不整脈（心室性期外収縮、心室性頻拍、心室細動）、【7】副調律（房室干渉解離）、【8】興奮伝導促進（WPW症候群、LGL症候群）、【9】薬剤の影響（ジギタリス、キニジン）、【10】電解質異常（高または低カリウム血症、高または低カルシウム血症）。