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心拍出量測定

【読み】
しんぱくしゅつりょうそくてい
【英語】
measurement of cardiac output
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】心臓から1分間に駆出される血液量を分時拍出量といい、1回の心拍によって駆出される量を1回拍出量という。この両者は心臓の仕事量を知るうえに重要であるばかりでなく、全身の血液循環状態、代謝状態などにも関係を有する。単に心拍出量といえば分時拍出量をさす。
【検査法】
1)Fick法:Fickの原理に基づいて測定する方法。酸素消費量を動脈血酸素含量と混合静脈血酸素含量の差で割って求める。混合静脈血は右心カテーテルから採取する。
2)色素希釈法:血流中にindocyanine greenのような色素を注入し、得られた色素希釈曲線からHamilton法などにより心拍出量が算出される。
3)熱希釈法:Swan-Ganzカテーテルを挿入し、大静脈または右房の部から冷却した生食水またはブドウ糖液を一定量注入し、肺動脈部に位置する温度計で温度低下の変化を記録し積分して心拍出量を算出する。
4)インピーダンス法:体表面に4つの電極を置き、2つの電極間に高周波の一定電流を流し別の2つの電極間の電圧を測定して求めたインピーダンスの時間的変化が心拍出量と密接な関係にあることを利用した方法。
5)心エコー法:Mモード左室計測位で左室収縮期内径と左室拡張期内径を求め、近似式を用いて左室拡張末期容量、左室収縮末期容量を算出し、両者の差をもって1回拍出量が求められる。
【正常値】心拍出量は安静時には3.6~5.8l/分、平均4.2l/分、運動時には9~12l/分まで増加する。1回拍出量は安静時50~70ml、運動時には100ml以上にもなる。
【結果・評価】
心拍出量の低下する場合:ショック、うっ血性心不全、高度房室ブロック、心房細動、発作性頻拍、心膜炎など。
心拍出量の増加する場合:運動、精神興奮、食事、妊娠、発熱、甲状腺機能亢進症、貧血、脚気など。