心理テスト
- 【読み】
- しんりてすと
- 【英語】
- psychological test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】心理検査
【意義・目的】小児歯科臨床において、小児は恐怖、不安といった不快情動を表わしやすく、取り扱いに苦慮するが、小児は精神面において発達過程とおう動的状態下にあり、外界認知や適応能力が未熟であるということを理解する必要がある。さらに、口腔領域の悪習癖では、その発症の背景にある心理学的要因の検索も重要である。そこで、小児の精神的発達の特徴の把握や心理学的要因の検索の一助として、心理テストの利用が有効と考えられる。
【検査法および結果・評価】小児歯科臨床の場において、小児の生活の背景や表出される行動の要因を知る一助として活用される検査法としては、幼児・児童性格診断検査と親子関係診断テストが有効と思われる。
1)高木・坂本幼児児童性格診断検査:本検査は、小児の日常の行動を観察して両親が行動評定を行う。質問形式により11の下位尺度(【1】顕示性、【2】神経質、【3】不安傾向、【4】自制力、【5】自主性、【6】退向性、【7】攻撃性、【8】社会性、【9】家庭への適応、【10】学校・幼稚園への適応、【11】体質傾向)から成り立つ。採点結果は換算表により、各尺度の粗点をパーセンタイル比に換算して、プロフィール欄に記入して診断図を作成する。診断は、十分な指導を要す、要注意、普通、良好の4段階で判定する。
2)田研式親子関係診断テスト:両親の態度の評価と小児の問題徴候の記録の2部から構成されている。両親の態度の評価は、両親自身の自己評価と小児による両親の態度の評価の両面から検討できるように、両親用と小児用の2種類がある。小児用は、小学校4年生以上の文章の読解力のある児童、青年に実施する。小学校3年生以下または文章の読解力のない者に対しては両親用だけを実施する。検査項目は、【1】拒否、【2】支配、【3】保護、【4】服従、【5】矛盾不一致の5領域で、それをさらに2つの型に分けている。採点結果はパーセンタイル比に換算してダイヤグラムに記入する。ダイヤグラムの中心は99パーセンタイルであり、周辺に進むに従って低い得点となっている。50パーセンタイルが中心であるが、それは典型的というのではなく普通という意味である。ダイヤグラムの中心に近いほどよいわけで、20パーセンタイル以危険地帯に入り、20~40パーセンタイル下はまでは準危険地帯である。