膵機能検査
- 【読み】
- すいきのうけんさ
- 【英語】
- pancreatic function test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義】膵臓は諸種の消化酵素を分泌するが、主として内分泌機能としては尿糖、血糖、ケトン体、およびインスリン、グルカゴンなどのホルモンと外分泌および消化吸収機能については膵液中に蛋白分解酵素、リパーゼ、アミラーゼなどの消化酵素が分泌される。
【適応疾患名】臨床的に膵疾患の特徴的な症状としては持続性の上腹部の激痛および、持続性の嘔気、嘔吐でその他、糖尿、脂肪下痢などがあり、これらの症状に際しては膵機能の検査を実施されることが望ましい。
【検査法】膵機能検査法には多くの方法があるが、症状に応じて的確な方法を選択すべきである。
膵外分泌では膵液、血清、尿中のアミラーゼ、リパーゼなどの測定は膵疾患の診査には有意義である。また、膵液中には蛋白分解酵素であるトリブシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼ、エステラーゼとリパーゼ、アミラーゼおよび核酸分解酵素などの消化酵素が含まれていて、膵機能の検査としてなされている。
膵疾患における検査法について、その主なものをあげると次のとおりである。
1)膵液外分泌機能を直接に検査する方法として、膵液採取法のエーテル試験は慢性膵炎の診断的価値が大きく、さらに、血中・尿中アミラーゼ・リパーゼ定量、パンクレオザイミン-ゼクレチン試験(PS試験)などの検査は必要であろう。
2)膵機能検査には血中および尿中アミラーゼの定量は急性膵炎の早期診断に有用である。また膵・非膵疾患の鑑別にアミラーゼ・クリアランスとクレアチニン・クリアランスの比(ACCR)の測定が重要である。
3)消化吸収試験では、試験食餌糞便検査法として膵疾患のときの消化酵素の分泌減少により食物の消化障害を生じ、糞便の特徴ある変化を生じ、また膵酵素異常による消化障害と腸の吸収不良による障害の検査として、デン粉負荷試験などが有用とされている。
4)その他膵疾患の診断に際しては、膵機能検査のほかに、膵シンチ、CTスキャン、超音波、さらに、X線腹部単純撮影、内視鏡的逆行性膵管造影法、なども有用であるといわれている。