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スタディモデル(クラウンブリッジ系)

【読み】
すたでぃもでる(くらうんぶりっじけい)
【英語】
study model
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】研究用模型、診断用模型、考究用模型
【概念】米国補綴歯科学会編集の歯科補綴学用語集(1987年5版)にはmodelは展示する目的に用いられる複製品を指し、所要の形態を陽型に複製したものはcastを用いると記されている。したがって、スタディモデルは日本的英語で欧米人には理解できないものと思われる。日本語でもスタディキャストを用いることがよいと思う。
【定義】顎口腔系の診査、診断、治療方針の決定、記録などを行うに際して準備される上下顎石膏模型をいう。
【意義】口腔内の状態を保存することができ、口腔外で、前後、左右、上下のあらゆる方向から直視下で診査し、検討できることにある。また患者に対して治療についての動機づけや方針の説明と理解に役立ち、さらにこれを用いて作業を進めることもできる。
【検査法】模型を観察したり、咬合器に固着し、必要によっては咬合紙などを用いて検査する。治療方針を立てるうえで、咬合平面の乱れや、咬合干渉の有無を咬合器に固着して調べる。架工義歯の種類と範囲を歯の欠如部の大きさと形態、残存歯の数や位置などから決める。支台装置の選定には残存歯の形態や位置、植立状態などが参考となる。支台歯形成時の歯質の削去量、形成方向の決定の目安にし、状況によっては歯髄処置の必要の有無を調べる。咬合の付与については、咬合器に固着した状態で残存歯の被蓋状況や咬合状態を参考にする。欠如部のスペースや残存歯の形態からポンティックの形態や大きさ、排列を決める参考にする。またスタディキャストを用いて暫間被覆冠や個人トレーなどの製作に使用することもある。
【評価】石膏模型という性質上、表面的な形状について診査に役立つ。クラウンブリッジを設計するうえできわめて有効な手段であるが、歯根の状況や支持組織の状態、さらに動的な状態などについて他の診査法を加えると充実させることができる。