スタディモデル(床用)
- 【読み】
- すたでぃもでる(しょうよう)
- 【英語】
- study model, study cast
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】研究用模型、診断用模型
【定義】上下顎の歯、欠損部顎堤、口蓋などの解剖的事項を検査するために作製する上下顎石膏模型で概形印象から作られる。
【意義・目的】
1)模型上で行う診査:口腔内で行う視診は視野が限定され、時間的にも制約がある。残存歯の傾斜、捻転、挺出、欠損部顎堤の幅、高さ、口蓋の深さなど解剖的特徴をあらゆる角度から模型上で観察できる。著明な骨隆起やフラビーガムがある場合は模型上に記録する。前処置の必要性や治療方針の検討を行う。
2)咬合関係の診査:石膏を付着することなく装着できる簡易咬合器に取り付けることにより、およその中心咬合位における咬合状態や咬合平面を診査する。咬合異常が認められる症例では、フェースボウで半調節性咬合器にトランスファーして、咬合診断に役立てる。
3)義歯の一次設計:欠損補綴、ことにパーシャルデンチャーでは、研究用模型上で仮の設計を行い、支台歯の選択、レストシートの位置、床の外形線を決定しておく。サベヤーを使用して義歯の着脱方向、鉤指導線、バーやプレートの外形線の設計を行い、必要な印象域を決定する。
4)患者への説明:患者に口腔内がどのような状態かを模型で説明する。また、治療方針や最終補綴物の説明を行い、患者の理解を深める。模型を保存しておくことにより、術前と術後の状態が比較できる。
5)個人トレーの作製:作業用模型を得るために、精密な印象が必要である。研究用模型を使用して、印象材の層がどの部分でも均一になるように、筋成形ができるようにトレー用レジン(常温重合レジン)で作製する。ブロックアウトやリリーフが必要であれば模型上ワックスで修正して、個人トレーを作製する。
【適応疾患名】歯牙欠損症。