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成長ホルモン検査

【読み】
せいちょうほるもんけんさ
【英語】
growth hormone test, GH
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】ソマトトロピンテスト
【定義】下垂体前葉において産生、分泌されるホルモンの検査。
【意義・目的】成長ホルモンの働きは、【1】骨端軟骨細胞における蛋白同化亢進による身体長軸の伸長、【2】全身における蛋白同化作用、【3】抗インスリン作用などであり、小人症、巨大症の診断のためホルモン検査を行う。
【検査法・正常値】GHの測定に際しては、通常ヘパリを加えて採血し、血漿を分離して凍結保存する。GHはRIA(ラジオイムノアッセイ:competitive radioassayのうちで、結合蛋白としてのホルモンに対する抗体を用いる方法)により測定する。
1)血漿GHの基礎値:GHの分泌は血糖値、運動、ストレスなどの因子の影響を受けやすいので、早期空腹時に30分以上臥床安静にした上で採血する必要がある。RIAでは男女とも5ng/ml以下である。
2)GH分泌刺激試験
 【1】インスリン刺激試験:インスリンを投与して血糖を降下させる方法。レギュラー・インスリン(0.1U/kg体重:下垂体機能低下症、糖尿病、末端肥大症を疑う場合は投与量を減増する)静注後45~90分で血漿GHは最高となり、正常人で10ng/ml以上となる。5~10ng/mlは境界域、5ng/ml以下は無反応。
 【2】アルギン刺激試験:L-アルギン(0.6g/kg体重、50kg以上の場合は30g)を30分間かけて点滴静注する。血漿GHは静注開始45~60分で頂値に達し、正常人では10ng/dl以上の値になる。
 【3】その他のGH分泌刺激試験:GHの分泌を促進する種々の刺激を用いた刺激試験が用いられている。a.L-Dopa刺激試験(0.5g経口投与)、b.グルカゴン刺激試験(1mg皮下注)、c.プロプラノロール・グルカゴン刺激試験(プロプラノロール20~40mgをグルカゴン(0.5mg筋注)投与120分前に経口投与)、d.プロプラノロール・インスリン刺激試験(プロプラノロール10mgを2時間かけて静注し、開始30分後にインスリンを投与)、c.GRF(growth hormone-releasing factor)負荷試験(GRF100μg静注)などがある。
3)ブドウ糖抑制試験:血漿GHが高い場合に、GH分泌抑制刺激であるブドウ糖の投与に対し反応するか否かを検査する。ブドウ糖経口(75g)または静注(25g)を行う。正常人では5ng/ml以下の値を示す。
4)bromocriptine負荷試験:bromocriptine2.5mg1回経口投与すると正常人では90~180分後に血漿GHが増加する。
5)血中ソマトメジンCの測定:ソマトメジンCはGHにより主として肝で産生される成長因子で、末端巨大症で高値、下垂体性小人症で低値となる。