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セリワノフ反応

【読み】
せりわのふはんのう
【英語】
Selivanoff reaction
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】尿中果糖の検出法をいう。
【意義・目的】果糖はブドウ糖より甘味が強く、体内で利用されやすいが、一旦、肝臓でブドウ糖に変えられる。したがって、糖尿病または肝臓疾患を有する者が大量に摂取すると、果糖が血中に過剰となり尿に排出されるようになる。果糖はブドウ糖と同じく還元試験、発酵試験ともに陽性のため、単独でブドウ糖と鑑別するには、旋光性、酵素法、セリワノフ反応などによらなければならないが、セリワノフ反応は中でも簡便な定性試験として用いられている。
【適応疾患名】重症糖尿病、肝疾患、先天的な肝の果糖代謝障害、遺伝性果糖不耐容症。
【検査法】新鮮酸性被検尿10mlに希塩酸2mlとレゾルシン結晶数顆粒を加え、ただちに加熱して呈色反応をみる。
尿に塩酸を加えただけで発色を示すときはウロロゼインが含まれているので、尿と等量の25%塩酸を加えアミルアルコールで振盪抽出し、アルコール層を除去してから本反応を行う。長時間の加熱は果糖以外の糖による類似の着色をみるので注意が必要である。
【正常値】定性反応としては赤色を呈すれば陽性である。定量によると血清中の果糖をセリワノフ反応で測定して1~6mg/dlである。
【結果・評価】健常者で本反応陽性はまれだが、多量の果糖摂取後に証明される。したがって病的果糖尿を確定するためには、果糖負荷試験を行う。また肝疾患が考えられれば、肝生検によりフルクトキナーぜ、FIPアルドラーゼ、FDPアルドラーゼの活性を測定するとよい。