総コレステロール
- 【読み】
- そうこれすてろーる
- 【英語】
- cholesterol, T chol
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】コレステロールは、生体の細胞の膜成分として重要なものである。また各種ステロイドホルモンや、胆汁酸の母体として必要な物質である。コレステロールの合成は、肝臓、副腎皮質、皮膚、腸管、性腺、骨髄、動脈壁で1日1~1.5g合成される。肝臓からは、コレステロールはvery low density lipoprotein(VLDL)、あるいはhigh density lipoprotein(HDL)として分泌され末梢組織とコレステロールの交換が行われる。
【検査法】HDLの分画法には、超遠心法、電気泳動法、沈澱法、免疫学的方法などがあり、沈澱法がよく行われている。カイロミクロン、VLDL、LDLなどのアポBを有するリポ蛋白粒子を金属イオンの下で硫酸多糖類と複合体を形成させる方法で、この複合体を沈澱させた上清がHDL分画であり、この中のコレステロール濃度を測定する。
【正常値】70歳以上の男女の高齢層では、加齢とともに、栄養摂取量の低下がみられたが、男の動物性蛋白、動物性脂肪については年齢に伴う上昇傾向がみられ、TCの平均値は、男:178.8±29.4mg/dl、女:204.2±29.5mg/dlであり、HDL-Cは、男50.8±14.3mg/dl、女53.4±15.1mg/dlとの報告もある。
ある地域のT Cholは、12~24歳で113~234mg/dl、25歳以上(50歳以上の女性を除く)120~275mg/dl、50歳以上の女性139~298mg/dlであり、HDL Cholは男性が29~72mg/dl、女性が32~76mg/dlで性差がみられている。
【結果】脳出血・虚血性心疾患の両者を含む循環器疾患の予防のためには、血清総コレステロール値が140~200mg/dlの範囲内にあることが望ましい。高コレステロール血症を来す疾患と低コレステロール血症を来す疾患がある。