総蛋白量検査(滲出液)
- 【読み】
- そうたんぱくりょうけんさ(しんしゅつえき)
- 【英語】
- examination of total protein levels in gingival crevicular fluid
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】 歯肉溝滲出液中の総蛋白量を測定することをいう。
【目的】 歯肉溝滲出液は、歯肉の炎症の進行とともに増加し、歯肉炎指数と有意な相関性が認められている。歯周疾患では、炎症を有する歯肉溝上皮の透過性の亢進に伴い、歯肉結合組織の炎症は拡大し、炎症細胞浸潤やコラーゲン繊維の破壊などが起こり、血清蛋白をはじめとしてさまざまな組織中の蛋白がポケット内に滲出してくる。滲出液中の総蛋白量を基として、各種成分の分析を行う。
【検査法】 歯肉溝滲出液の採取法には、濾紙法、マイクロピペット法や、gingival washing法などがあるが、臨床的応用には比較的操作の容易な濾紙法が一般的である。蛋白質の微量定量にはSchacterleのLowry改良法が用いられる。
1) 簡易防湿後、歯肉溝内に軽くエアーを吹きつけ、ポケット内を乾燥させる。
2) 濾紙をポケット内に挿入し、2分間放置する。
3) 濾紙を取り出し、試験管に移し、既知量の冷蒸留水を加え、4℃で保存する。
4) 濾紙を機械的に破砕した後、3000×15分間遠心し、上清を採取、これを試料とする。
5) 試料1mlにアルカリ性銅液1mlを加え、10分間放置する。
6) フェノール試薬を4ml加え、激しく振盪後、55℃で5分間保つ。
7) 流水で1分急冷後、吸光度650nmで比色定量する。(標準蛋白として牛血清アルブミンを用いる。)
【正常値】 22.0~93.1μg/μl
【結果・評価】 歯肉溝滲出液は、健康な歯肉では、濾紙1部位あたり約25nl以下といわれ、炎症の進行とともに増加し、それに伴い、滲出液中の総蛋白量も増加する。しかしながら、滲出液中の蛋白濃度は、正常血清の濃度(67-83μg/μl)やアルブミン濃度(16.8g/l)に近い値を示している。したがって、歯周組織破壊の指標にはさらに蛋白の特異成分が分析されねばならない。