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総窒素

【読み】
そうちっそ
【英語】
total nitrogen, 総-N
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】体内窒素代謝とこれを調節する内分泌腺(脳下垂体・副腎・甲状腺など)の機能を知る。
【意義・目的】正常人では、糞便中排泄窒素量は1日3.0g~4.0gで、皮膚よりの喪失は微量であり、尿中窒素量は蛋白窒素量に等しく、蛋白摂取量により増減する。
【適応疾患名】熱性疾患、外傷、手術後。
【検査法】Kjedahl法が基礎である。
・Kjedahl-Nessler法
1)除蛋白:【1】2本の三角フラスコまたは中型試験管の1本には血清0.5mlを、他の1本には使用標準液0.5mlをとる。【2】各管へ5g/dl、トリクロル酢酸4.5mlずつ加え、振盪混和後5~10分放置し、遠心または濾過する。
2)酸化:【1】3本の35mlに目盛のある特製硬質酸化管の1本に試料液、1本には標準液、他の1本には盲検用として5g/dlトリクロル酢酸液を各2.5mlずつ入れる。【2】各管へ酸化剤1mlずつおよびガラス玉または毛細管片を入れる。【3】小火炎で静かに熱して水分を蒸発させ、ガラス漏斗を酸化管口につけ、20~30分間加熱する。溶液は暗褐色から黄色となる。【4】2~3分間放冷し、熱いうちに各管へ過酸化水素水0.5mlずつ加え、5~10分間加熱すると、溶液は完全に無色透明となる。【5】放冷後、各管の35mlの目盛まで水を加え混和する。
3)呈色:各管から7.0mlずつを径15~20mmの試験管に移し、Nessler試薬3.0mlずつ加え、混和する。
4)比色:5分間放置してから盲検を対照に470nmで試料(EA)、標準液(ES)の吸光度を計算する。
非検液非蛋白窒素濃度=EA/ES×30mg/dl
【正常値】10~15g
【結果・評価】尿中総窒素は窒素平衡をみるうえで重要である。体内蛋白異化作用の増進時に増加し、腎よりの窒素排泄障害のあるとき(心・腎疾患)と滲出性機転のあるときに減少する。