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即時型皮膚反応

【読み】
そくじがたひふはんのう
【英語】
cutaneous reaction of immediate type
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】即時型皮膚反応は、主としてIgEを介する〈1〉型アレルギー反応を検査するもので、喘息・鼻アレルギーなどのアレルゲンの検索、ペニシリン、局麻剤などによる過敏性反応の惹起の可能性を予測するために行われる。
【適応疾患名】気管支喘息、鼻アレルギー、花粉症などのアレルギー疾患、薬剤によるアナフィラキシー発現の可能性の予測。
【検査法】
1)皮内テスト:ツベルクリン用注射筒にディスポーザブルのツベルクリン針をつけ、通常抗原の1000倍液を0.02ml皮内に注入し、15分後に接種部位の発赤径・膨疹径を計測して判定する。われわれが実際に行うことの多い薬物であるペニシリンは、500mcg/ml程度の液、塩酸リドカインは0.1%のものを使用する。
2)プリックテストおよびスクラッチテスト:プリックテストは抗原液(濃度は抗原によって異なる)を前腕皮膚あるいは背部皮膚に1滴滴下し、消毒した縫い針を抗原液をとうして、斜めの方向に皮内に突き刺しつつ持ち上げるように抜き去る。スクラッチテストの場合は、ツベルクリン針の切口背面を使って皮膚に2~3mmの傷をつける。いずれの場合も20分後にアルコール綿で皮膚表面を拭ってから判定する。
いずれのテストの場合も必ず溶媒だけの対照液で同一テストを行う。
【判定】皮内テストの場合は、発赤径20mm以上あるいは膨疹径10mm以上を陽性とする。プリックおよびスクラッチテストでは、膨疹が5mm以上あるいは発赤が15mm以上のいずれかを満足した場合を陽性とする。また、膨疹が対照液の2倍以上を示した場合も陽性とする。
【結果・評価】結果が陽性の場合、その抗原を回避するのが原則である。なお、投与されている薬剤が反応に影響することがある。たとえば、β-stimulants(アドレナリン、エフェドリンなど)および抗ヒスタミン剤は皮膚反応を抑制する。反対にβ-blockerであるプロプラノロールは反応を増強する。したがって、これらの薬剤を服用している場合は、24時間前に服用を中止させてから検査する必要がある。