専門情報検索 お試し版

息肉診査(歯髄、歯根膜)

【読み】
そくにくしんさ(しずい、しこんまく)
【英語】
examination of polyp
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【目的】根管処置を行う際、根尖付近から出血をみることがあるが、その原因が歯髄か根管息肉にあるのか不明のことがある。
歯肉療法処置を行うにあたって根管内に残髄あるいは根管息肉が存在すると、十分な根管処置を不可能にする。そこで残髄かあるいは根管息肉かを鑑別することが大切で、後の処置すなわち、感染根管治療かに分かれるからである。
・歯髄息肉 pulp polyp
歯髄が慢性潰瘍性歯髄炎による化膿性破壊を受けたとき、防御機転が旺盛だと炎症性肉芽形成を来し、しかも修復能力がきわめて旺盛だと肉芽の過剰形成すなわち増殖し息肉となる(慢性増殖性歯髄炎)。このうち口腔粘膜の上皮細胞が息肉潰瘍面に移行し表面に上皮を有するものを上皮性息肉、ないものを単純性息肉という。
・歯肉息肉 gingival polyp
辺縁性歯肉炎(歯間乳頭の高さまで歯肉縁は腫脹、赤色または赤紫色、容易な出血、歯垢、歯石の沈着、深いポケット形成)が慢性に長期に持続したときに生ずる。
・歯根膜息肉 periodontal polyp
髄床底の穿孔を放置したとき髄床底の歯根膜により生ずる。
【検査法】表面の形状だけではこれら3者を鑑別することは難しく、息肉の茎の結合部が何処に存在しているかをよく診査する必要がある。茎が根管歯髄につながっていれば、歯髄息肉で息肉の除去と抜髄を行う。歯の周囲の歯根膜に茎がつながっていれば、歯根膜息肉で、息肉の除去ならびに穿孔部の閉鎖を行った後、抜髄あるいは感染根管治療を行う。