専門情報検索 お試し版

組織培養検査

【読み】
そしきばいようけんさ
【英語】
tissue culture test
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】 多細胞生物の固体から無菌的に組織片・細胞群を取り出し、適当な条件において生かし続ける技術をいう。これには取り出した1片を他の生物体のある場所に移して育てる生体内培養(culture in vivo)と、ガラス器内培養(culture in vitro)とがある。前者の場合には、培養する組織片などが、できるだけその生物体内の特異的影響を受けることが少ないような環境におく。一般に組織培養と呼ぶときは後者である場合が多い。
【意義・目的】 組織培養は形態学・遺伝学・癌研究など医学生物学の研究に広く用いられるだけでなく、培養した細胞を使用して薬物効果を研究したり、さらにワクチンを製造することも行われている。
 組織培養で均一な細胞集団が多量に得られるので生化学的研究の材料としても大きな意義がある。したがって、現在では医学生物学全般にわたって、この技術の導入が重視される。
【検査法】
 1) 細胞培養法(cell culture):広義の組織培養の一様式で、ある器官・組織片とトリプシンなどの処理で生きたまま個々の細胞に解離して、解離した細胞を数え、一定数をガラス器の培養皿に移し培養基質上で増殖させる方法である。
 取り出した細胞、器官の本来の特性、たとえば細胞形態、酵素活性、ホルモン分泌などが失われ脱分化した細胞で増殖能のみが保たれているもので、細胞の増殖を量的に知るのに便利で広く駆使されている。
 2) 器官培養法(organ culture):生体の一部を分離して行う、組織培養の1つである。培養された器官・組織片が培養基質の上に単層となって広がり増殖するのを防ぎ、できるだけ三次元的な立体的な構造を保持させたまま増殖・分化を行わせる方法で、組織や器官の特性が保持され、分化成長や本来の機能をin vitroで調べることができる。
 3) 培養液
 【1】合成培養液:Eagle培養液(minimal essential medium : MEM)。ビタミン類(inositol、folic acid など8種類)・アミノ酸(L-arginin・HCl、L-glutamine など21種類)・無機塩類(NaCl、NaHCO3、KCl、など7種類)・その他(glucose、phenol red)
合成培養液に血清を10%加えたものがよく用いられる。その他、半合成培養液やまたホルモンなどの生理活性物質を加えた無血清完全合成培養液の開発が進んでいる。
【2】培養気相:培養気相は、空気または培養液のpHを安定維持するために、5%CO2-95%空気とする。普通、気相、温度、湿度を制御できるCO2恒温器内に培養容器を入れ培養する。
【3】温度:37℃で多くの哺乳動物細胞は最も旺盛に増殖することはよく知られているが、この場合37℃よりも0.5℃低いほうがよく増殖するので、恒温器内の温度設定は37℃よりもやや低い点に設定するほうが一般的によい。