唾液緩衝能試験
- 【読み】
- だえきかんしょうのうしけん
- 【英語】
- buffer capacity of saliva
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】唾液滴定酸度
【原理】 唾液の緩衝能を測定する齲蝕活動性試験法。唾液の成分である重炭酸塩による中和作用を利用したもの。
【検査・方法】 試験液に塩酸を用いるもの(寺田法 1941など)と乳酸を用いるもの(Dreizen法 1946など)に大別できる。
1) 寺田法(寺田ら 1941)
【1】採取した唾液2mlに蒸留水2mlを加える。
【2】メチルオレンジ(pH指示薬、0.1%)を滴下する。
【3】0.01N塩酸を用いて滴定し、唾液100mlを中和するのに要する0.01N塩酸量を唾液緩衝値とする。
2) Dreizen法(Dreizenら 1946):採取唾液5mlに0.1N乳酸をpH4.0になるまで滴下し、滴定曲線上でpH7.0から6.0までに要した乳酸量をもって唾液緩衝能とした。
3) Dreizen変法(Katzら 1976)
【1】洗口後パラフィンワックスを咬んで全唾液5mlを採取。
【2】採取唾液2mlを小試験管にとる。
【3】pH指示薬(bromcresol green と bromcresol purple を等量に溶解した水溶液)3滴滴下。
【4】0.1N乳酸をpH5.0になるまで滴定
【5】他の採取唾液2mlで【2】~【4】を繰り返す。
【6】2つの滴下数を平均し唾液緩衝能とする。
【結果】 上田(1982)は4~6歳児で唾液緩衝能とdf指数との関係は負の関係にあることを認めている。中垣ら(1988)は児童において7歳らか10歳まで下顎左側第一大臼歯から右側第一大臼歯までの齲蝕比較増量(RID Index)を追跡したところ関係を認めなかった。