唾液血液型
- 【読み】
- だえきけつえきがた
- 【英語】
- blood grouping of saliva
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】約80%の人は分泌型といわれ、その唾液中に血液型物質(凝集原)が含まれる。この凝集原活性はかなり高く、分泌型の人が使用したコップやタバコの吸いがらなどに付着したわずかな唾液斑から血液型を判定することができる。AおよびB型質のほか、MN型質、S式型質、Rh因子なども存在することが知られている。したがって、唾液は法医鑑識および親子鑑定などの上でもきわめて重要である。
【検査法】
1.凝集素吸収試験
1)あらかじめ、抗Aおよび抗B血清の凝集素価を測定し、凝集価が1:8程度になるように希釈する。
2)被検者から無刺激唾液を1mlくらいとり、ただちに、熱湯中で20~30分間煮沸(唾液中の血液型物質分解酵素をこわすため)したのち、遠心し、その上清を検査に用いる。
3)唾液の希釈列(生食水にて、10、100、1000、10000倍に希釈した唾液をそれぞれ0.1mlずつ各試験管にいれる)および対照(同量の生食水)を、A、B、H、3系列作る。
4)各列の試験管に1:8に調整した抗A、抗B、抗H血清(Ulex europaensの種子浸出液を用いるとよい)を等量加え、室温に2時間、または冷蔵庫に1晩放量して、抗A、抗B、または抗H抗体を唾液で中和したのち、各列にA型、B型、O型血球浮遊液を一定量加え、1000rpm1分間遠心後、対照と比較して、凝集の抑制が起こっているか否かを観察する(完全に凝集が抑制されている唾液の最高稀釈倍数を凝集阻止価として求めることができる)。
2.解離試験
凝集原(抗原)と凝集素の結合は37℃以上では解離するので、この現象を利用する。和紙などに固定した唾液斑に凝集素を加えて7℃で結合させたあと、余分の凝集素を洗い流す。次いで、その凝集素に対応する標準血球を加えて、50℃、10~60分間加熱し、すぐに500~1000rpm1分巻遠沈する。血球が凝集すれば、はじめに加えた凝集素と唾液斑中の血液型質とは対応するものであったことがわかる。
以上、基本的な二法を記述したが、特に微量な唾液斑からの検査法については、感度および特異性、さらに、定量的検査としての精度などに関して、蛍光標識、モノクロナル抗体、ELISAなど新しい方法の導入による改良が進められている。