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胆汁酸(血液)

【読み】
たんじゅうさん(けつえき)
【英語】
bile acid、TBA
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】胆汁酸は肝臓内でコレステロールから生成されコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸などの種類が知られている。このうちコール酸が最も胆汁中に多く含まれていてグリシンやタウリンと結合してグリココール酸、タウロコール酸として存在している。これら胆汁酸は胆汁として腸管に排出されて食物中の脂肪の消化吸収に重要な働きをしていて、回腸の末端から再吸収されて門脈を通って肝臓に入り大部分は肝細胞に取り込まれて腸肝循環を行っている。したがって、胆汁酸の測定は肝臓の代謝、特に肝細胞機能の判定にとりわけ胆道閉鎖、無黄疸性肝疾患の診断に有用である。
【検査法】3α-hydroxysteroid dehydrogenaseとNADを用いた酵素法を行う。
【正常値】1.9~9.6μmol/l
【結果・評価】血清中の胆汁酸濃度値が微量であるので負荷を行ったのちの胆汁酸濃度の上昇を測定することにより胆の予備能を判断する指標にも用いられ、さらに急性肝炎の回復期や慢性肝炎の増悪期の肝細胞障害の程度を鋭敏に反映する。閉鎖性黄疸では60mg/day以上になる。正常人の尿中胆汁酸排泄量は1日0.4mg以下であるが、各種肝疾患では血中に増量した胆汁酸が尿中に排泄される。