蛋白(血液)
- 【読み】
- たんぱく(けつえき)
- 【英語】
- plasma protein (serum protein)
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】血漿蛋白は、80種異常の蛋白質から構成され、血漿成分の7~8%を占める。その主なものはAルブミン、α、α2、β、γグロブリン(電気泳動法による分画)である。血漿蛋白の機能は、血漿コロイド浸透圧の維持と、血漿量の調節、物質の運搬や末梢組織における不要代謝物の交換、血液凝固作用、感染防御、酵素作用などである。免疫グロブリン以外は、大半が肝臓で合成され、血漿蛋白の量的変動は病態と密接に関連し、分画の変動と合わせて診断上重要である。
【適応疾患名】
1)高蛋白血症(8.0g/dl以上):脱水、骨髄腫、肝硬変など。
2) 低蛋白血症(6.0g/dl以下):ネフローゼ症候群、吸収不全症候群、飢餓など。
3) 分画異常:慢性肝疾患、感染症、悪性腫瘍など。
【検査法】主な検査法は、総蛋白定量法(ビウレット反応、屈折率法など)、アルブミンおよびグロブリン比の測定(A/G比)、蛋白分画の測定(電気泳動法、免疫電気泳動法、超遠心法、クロマトグラフィ法など)、酵素活性測定、凝固因子活性測定などがある。
【正常値】総蛋白量 6~8g/dl(87~116μmol)、A/G比1.0~2.0
【結果・評価】血漿蛋白質の濃度は、主としてアルブミン(60%)と免疫グロブリン(20%)により左右され、増加は免疫グロブリンの増加による。血漿蛋白量が正常範囲でも、その分画が異常となる場合があるので、両者を同時に行い判定する。