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蛋白分画(血清)

【読み】
たんぱくぶんかく(けっせい)
【英語】
fraction of serum protein
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【定義】血清中には100種類以上の蛋白が含まれており、それぞれの働きをしている。病的状態では、それらの蛋白濃度は変化する。しかし、それらの多数にわたる蛋白のデーターを個々に用いることは少なく、Alb(アルブミン)、α1、α2、β、γの5分画に分けて測定したデーターを用いる。実際には、蛋白分画は前述の5分画の蛋白の構成比率を示す。
【意義】5分画の比率は、電気泳動法によって得られたパターンをデンシトメーターにかけて出力された峰形の濃度図(電気泳動像)からそれぞれの分画の峰の面積の比として算出される。電気泳動像は病的基本型がある。
【検査法】電気泳動法による血清蛋白の分析は、寒天、濾紙、セルロースアセテート膜などの支持体を用いた、支持体電気泳動法によって行われるが、なかでもセルロースアセテート膜を支持体とした電気泳動法は、再現性が良好なところから、多用されている。
【正常値】セルロースアセテート膜電気泳動法による正常値を下記に示す。
アルブミン 62~71%、α1グロブリン 2.8~4.1、α2グロブリン 5.7~9.9、β-グロブリン 6.1~10.7、γ-グロブリン 9.0~18.3
【結果】蛋白喪失性胃腸症、栄養失調、悪液質などの栄養失調型:Alb↓↓、β↓、ネフローゼ症候群:Alb↓↓、α2↑↑、慢性肝炎・肝硬変型:Alb↓↓、α1↓、α2↓、γ↑↑、急性感染症、外傷、心筋梗塞などの急性炎症・ストレス型:Alb↓↓、α1↑、α2↑↑、慢性炎症型:Alb↓、γ↑↑、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症などのM蛋白血症γ~β部位に異常高値、無γ―グロブリン血症:γ↓↓。