チモール混濁反応
- 【読み】
- ちもーるこんだくはんのう
- 【英語】
- thymol turbidity test、TTT
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】血清膠質反応すなわち血清グロブリン分画の量的、質的変動を反映する肝機能検査の1つで、現在では本法のほか、ZTT、CCFの3項目が測定されている。バルビタール緩衝液(pH7.55)に溶解した飽和のチモール溶液を肝疾患患者血清に加えると混濁の生ずることから行われた方法でこの混濁はγグロブリンとチモールの結合、さらに脂質、リポ蛋白とチモールの結合によるといわれる。
【適応疾患名】急性、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、慢性感染症、膠原病、高脂血症など。
【検査法】
1)Maclagan法:血清0.1mlにチモール試薬(pH7.55)6.0mlを加え25±3℃で30分放置後、水を盲検して赤色フィルター(650~660nm)の波長で吸光度目盛の読みを求める。基準液としてのMaclagan原法は現在ほとんど用いられていない。測定にはMaclagan単位を用いるが、現在はKunkel単位(硫酸亜鉛試験の基準液をTTTに使用することが消化器病学会肝機能研究班において決定されている)で表現されている。Maclagan単位はKunkel単位より約2倍の混濁度を示す。
2)消化器病学会肝機能研究班による標準操作法:方法はMaclagan法とほぼ同様であるが、標準液BaSo4(1.15g/dlBacl23mlを100mlのメスコルベンに入れ10℃下で0.2N-H2SO4で全量100mlにしたときの濁度を20Kunkel単位とする)、表示単位は、Kunkel単位、緩衝液バルビタール(pH7.55±0.03)、試薬濃度チモール約106mg/dl±2、測定温度25±1℃、測定時間30分とする。
【正常値】
0~4 Maclagan単位
0~5 Kunkel単位
【結果・評価】
高値を示す場合(11~30単位):急性肝炎(A型肝炎)、慢性活動性肝炎、肝硬変、脂肪肝、肝萎縮、慢性感染症、膠原病、高脂血症など。
低値を示す場合(5~10単位):限局性肝細胞障害(肝臓癌など)、黄疸を伴わない肝硬変など。