中性脂肪
- 【読み】
- ちゅうせいしぼう
- 【英語】
- neutral fat
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】トリグリセリド、TG
【意義・目的】中性脂肪の90~95%はトリグリセリド(TG)が占めているので、中性脂肪とトリグリセリドは同義語として使われている。TGは血清中では水可溶性のリポ蛋白として存在し、特にprere-β-リポ蛋白やchylomicronの主成分となる。また体内における主な働きはエネルギーの運搬や蓄積、各種臓器や組織の形態の維持などで、血中のTGの増量は脂肪酸の放出増加、肝臓における合成促進あるいは末梢組織におけるlipoprotein lipase(LPL)活性低下などにより生じ、コレステロールやリポ蛋白の定量とともに、脂質代謝異常を生ずる疾患の鑑別や病態把握に重要である。
【検査法】LPL-GK-GPO系による酵素法:【1】本試験、盲検、標準液用の試験管A、S、Bを準備する。【2】呈色試薬(m-メトキシジメチルアニリン)1mlを緩衝液(50mMトリスー塩酸緩衝液、pH7.85)46ml中に加えて混合し、この一部を反応試薬(lipoprotein lipase、glycerokinase、glycerophosphate oxidase、peroxidaseの各酵素とATP、4―アミノアンチピリンを含む)1vialに加えて溶解し、緩衝液に戻して混合して調整試薬とする。【3】準備した3本の試験管にそれぞれ試料、標準液(グリセロール標準液:トリオレイン250mg/dl相当)、精製水を20μlずつとり、調整試薬3.0mlを添加後7度Cで15分以上反応させる。【4】盲検のB管を対照として、波長535nmでA管、S管の吸光度を測定し、EA、ESとする。トリグリセリド濃度=(EA/ES)×250mg/dlである。
【正常値】35~130mg/dl(成人、空腹時)
【結果・評価】脂質代謝異常を生ずる疾患の鑑別や病態把握、あるいは脳血管障害、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患での関与因子として、またネフローゼ症候群の病型の重症度の指標として注目されるようになってきている。