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銅(血清)

【読み】
どう(けっせい)
【英語】
copper、Cu
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】血清中の銅は大部分銅蛋白セルロプラスミン(ceruloplasmin)として存在する。銅の主な排泄経路は胆管であるため胆管閉塞を来す疾患では血清銅は上昇する。また血色素合成に関与し、黄疸の鑑別や貧血、セルロプラスミン合成障害などの疾患の診断上重要である。測定法には、原子吸光法とキレート呈色試薬による比色法(Landers-Zak法など)がある。
【適応疾患名】
1)高値を示す疾患(150μg/dl以上):閉塞性黄疸、細胆管性肝炎、胆汁性肝硬変、再生不良性貧血、悪性腫瘍、急性感染症、膠原病など。
2)低値を示す疾患(50μg/dl以下):Wilson病、Menkes kinky hair syndromeなど。
【結果・評価】正常値は、原子吸光法では78~131μg/dl、Landers-Zak法では90~130μg/dlである。男女差はほとんどないが、女性はやや高い。血清銅は胆汁中に排泄されるため胆道閉塞があると増加し、また貧血時にも増加する。セルロプラスミン合成障害のあるWilson病や小腸の銅吸収障害のあるMenkes syndromeでは50μg/dl以下に低下するので診断上重要である。