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動揺度測定(歯の)

【読み】
どうようどそくてい(はの)
【英語】
tooth mobility test
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】歯の動揺は歯周疾患の基本的な症候であり歯の動揺の程度により歯周組織の罹患状態をかなり正確に推測することができる。また歯の動揺度の測定値は歯周疾患の進行の程度や予後の判定にも重要な参考資料にもなる。
【検査法】1)患者の頭部を安頭台の適正な位置に固定する。
2)前歯の場合は、ピンセットで切端をはさみ、色々な方向に動かし、その抵抗と動揺を観察する。
3)臼歯では、咬合面中央窩に閉じたピンセットの先端を当てて、色々な方向に動かしその抵抗と動揺を観察する。
4)動揺が軽度の場合は、対照となる隣在歯と被検歯の唇面に指先を当てがいながら、被検歯をピンセットで動揺させることにより動揺を触知する。
【結果・評価】正常な歯牙―歯周組織の場合でも生理的な動揺はある。しかし、その範囲を越えると歯周組織の損傷や歯周炎を引き起こすような症状を示す。歯の動揺の程度は一般的には0~3度に分類される。
0度:生理的動揺の範囲内(0.2mm以下)。
1度:唇舌方向にわずかに動揺するもの(0.2~1.0mm)。
2度:唇舌方向に中等度に、近遠心的にわずかに動揺するもの(1.0~2.0mm)。
3度:唇舌、近遠心方向だけでなく歯軸方向にも動揺するもの(2.0mm前後かそれ以上)。
 なお、石橋の分類によると動揺度1度は唇舌的に0.3~0.5mm程度動く軽度(+)の動揺歯で、近遠心的にもわずかな(±)動揺が認められるもの、2度は唇舌的に0.5~1.0mm程度の中等度(2+)の動揺が認められ、また近遠心的に軽度(+)の動揺が認められ、場合によっては捻転運動もわずかに(±)観察される動揺歯である。3度は唇舌的に1~2mm程度(3+)の動揺が観察されて、近遠心的には(2+)の動揺が、また、捻転運動も軽度(+)に認められる動揺歯で、ときに垂直方向の動揺がわずかに(±)に認められることがある。4度は垂直方向にも動揺がみられる舞踏様の動揺歯で、もはや保存に耐えない歯である。