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乳酸脱水素酵素

【読み】
にゅうさんだつすいそこうそ
【英語】
lactate dehydrogenase, LDH
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】乳酸脱水素酵素(LDH)は腎、骨格筋、肝、心筋、脳などの広汎な組織に分布し、種々の疾患で血中に逸脱して血中LDHが増加する。
【適応疾患名】心筋梗塞、悪性腫瘍、肝疾患の診断および予後の判定。
【検査法】発色法(Cabaud-Wroblewski法、ジニトロフェニルヒドラゾン法、ホルマザン法)、補酵素NADHの吸光度の減少を340nmで測定する方法(Wrobl-ewski-LaDue法、Hill法、Wacker法、Thier法、Buhl法、Howell法など)などがある。
 UV法(Wroblewski-LaDue法):乳酸脱水素酵素の反応は、pH7.5の至適条件で左側にすすむので、340または366nmにおける1分間当りの吸光度の減少を測定する。
1)基質緩衝液:K2HPO4700mg、KH2PO490mgおよびピルビン酸ナトリウム6.2mgを精製水に溶かし90mlにする。リン酸カリウム緩衝液としては0.05mol/l、pH7.5に相当する(基質濃度0.63mmol/l)、原法の基質濃度は0.3mmol/lである。
2)NADH溶液:(使用直前に)NADH-Na塩14mgとNaHCO315mgを精製水1.5mlに溶かす。
3)あらかじめ血清と基質緩衝液を約25℃にし、厚さ1cmの分光光度計セルへ順次、基質緩衝液2.85ml、NADH溶液0.05mlおよび血清を加える。
4)ただちに混和後、ストプウォッチを押し、60秒ごとに5分間、340nmにおける吸光度の減少を読む。
5)血清1mlに対する1分間当たりの吸光度の減少(△E340または△E366)の平均値を算出し、各単位に換算する。
【正常値】血清250~600ウロブレスキー単位(120~300ミリ国際単位)
【結果・評価】高値を示す疾患
 心肺疾患:急性心筋梗塞、うっ血性心不全、亜急性細菌性心内膜炎、心嚢炎。
 肝疾患:急性肝炎の初期、胆道系悪性腫瘍、肝癌、胆石、胆嚢炎。
 悪性腫瘍:胆道癌、膵癌、大腸癌。
 血液疾患:悪性貧血、骨髄性白血病。
 その他:進行性筋ジストロフィー症、皮膚筋炎、慢性肝疾患、脳血管障害、糖尿病、妊娠。