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尿細菌検査(試験紙による)

【読み】
にょうさいきんけんさ(しけんしによる)
【英語】
urine bacterial test using test paper
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】細菌尿は尿路感染を示唆する重要な所見である。また尿路感染症の発現は比較的多く、ときに重症となることもある。したがって、尿路感染を早期に診断し、適当な治療を行うことは大切である。尿路感染の発見のための検査には種々あって、定量培養や染色法と顕微鏡を必要とする物が多い。それらは時間と技術、装置を必要とし簡単に実施できない欠点がある。その点、試験紙による尿細菌検査はきわめて簡便で誰にでも実施できるものであり、細菌尿のスクリーニングに広く利用されている。
【適応疾患名】腎盂腎炎、膀胱炎、下部尿路感染症、尿路結石症
【検査法】試験紙法では細菌により指示薬が化学的呈色反応を示すのを応用している。
1)ブドウ糖による呈色反応を利用したもの:原理は尿中細菌が尿糖に作用しブドウ糖が減少し、呈色反応部の発色が抑制されることによる。
2)尿中亜硝酸塩検出による方法:食物の代謝産物である硝酸塩は、尿に105/ml異常の細菌が存在すると、その酵素作用により亜硝酸塩に還元される。これをジアゾ反応で発色させて検査する。
3)尿中細菌の試験紙による簡易定量・選択培養試験:試験紙上には亜硝酸塩反応部分、総細菌数試験部分、グラム陰性菌数試験部分とが貼布してある。最初に亜硝酸塩反応を2)で述べたように行わせ、判定後、ただちに試験紙を培養袋に入れ37℃で18~24時間(または室温で72時間)培養する。その後総細菌数、グラム陰性細菌数の部分を、それぞれ標準色調表と比色判定する。
 以上3種の方法について、実施上の注意として、早期第1尿を清潔に採取すること。その他、各試験紙の使用法を守ることが大切である。
【結果・評価】あくまでもスクリーニング法としてのみ価値をもつものであり、疑わしい場合には再検あるいは定量培養法や精検を行うべきである。