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尿素窒素

【読み】
にょうそちっそ
【英語】
blood urea nitrogen, BUN
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】生体内では食事蛋白や組織の分解によって生じたアミノ酸の脱アミノ反応によってアンモニアが生成される。このアンモニアはさらに肝において尿素サイクルを経て尿素に合成される。血中では血漿と血球の水分中に平等に含有されている。そして血清を除蛋白して得られる濾液中の含窒素化合物(非蛋白窒素化合物NPN)の45%を占めている。
 この尿素は腎糸球体から濾過され、一部尿細管で再吸収される他は尿中へ排泄される。したがって、陣の排泄機能が障害されると尿素の排泄も低下し、血中BUNも高値となる。
【適応疾患名】糸球体腎炎、ネフローゼ、腎結石、尿毒症。
【正常値】BUN8~20mg/dl、尿素として20~40mg/dl(BUN×2.14=尿素量)
【評価】尿素は腎から排泄されるのであるから、腎機能不全があればBUNが高くなるが、その体内生成に関係する食事蛋白摂取量、組織崩壊や消化管内大出血などの腎前因子、さらに循環血液量の異常などによっても血中BUNは移動する。
 健常者でも年齢とともに増加傾向がみられ、また日差変動は3.8mg/dl認められる。
 蛋白の大量摂取、体組織の崩解(絶食、糖尿病アソドーシス、悪性腫瘍など)や脱水による血液濃縮があると、BUNの過剰産生の結果一過性に高値になる。
 また各種疾患に伴う腎機能障害や広汎な癌、肝硬変症(腹水貯留)、腎不全では著明に上昇する。
 肝硬変の末期のように肝不全によってアンモニアから尿素への合成が阻害されると、血中のBUN値は低下し、NH3やアミノ酸窒素が上昇する。