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尿中カテコールアミン測定

【読み】
にょうちゅうかてこーるあみんそくてい
【英語】
urinary catecholamine excretion, CA
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義・目的】カテコールアミンはドーパミン(DA)、ノルアドレナリン(NA)、アドレナリン(A)で代表されるカテコールをもったアミンの総称で脳、交感神経、副腎髄質、肝、腎に分布し、DAはNAの前駆物質で中枢神経系の伝達物質、NAは交感神経系物質、Aは副腎髄質ホルモンである。尿中CAの測定は、交感神経や副腎髄質由来の腫瘍の診断と治療効果の判定、交感神経系の機能異常に関連した各種疾患の診断と病態の解析に用いられる。
【適応疾患名】
1)高値を示す疾患:褐色細胞種、交感神経芽細胞腫、心不全、心筋梗塞など。
2)低値を示す疾患:家族性自律神経失調症、フェニルケトン尿症など。
【検査法】ハイドロオキシインドール法(THI法)やエチレンジアミン法(ED法)などの高速液体クロマトグラフィ(high-performance liquid chromatography. HPLC)、蛍光法などがある。
HPLC法
1)6規定塩酸20ml(または濃塩酸10ml)を加えた尿瓶に24時間尿を蓄尿する。
2)酸水解尿10mlにアルミナ0.5gを加えpH8.5でCAを吸着させる。
3)アルミナを小カラムに移し、酢酸5mlでCAを溶出する。この10~100μlをHPLC系に注入し分析する。
【正常値】
成人安静時 A:12μg以下/日
         NA:10~90μg/日
         DA:100~700μg/日
【結果・評価】CA尿中排泄量には、体位、運動、ストレスおよび日内(日中)リズムなどの短期変動と季節(冬季)、加齢などの長期変動があり、また、併用薬剤(抗生物質、降圧剤など)によって高値を示すことがある。尿中CAの低値は臨床上あまり問題ではなく、高値の場合に注意を要する。特に、1日尿中NAとA値が100μg以上の時は褐色細胞腫が疑われ診断上重要である。乳幼児、小児期にみられる交感神経芽細胞腫の87%に尿中NA排泄増加がみられ、診断、治療効果の判定に有用である。