尿中特殊物質定性定量検査
- 【読み】
- にょうちゅうとくしゅぶっしつていせいていりょうけんさ
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】尿検査のうちで、物理的検査(比重、尿量、pHなど)と、一般的検査(初診時第1次スクリーニングテスト)を除く異常尿中の成分を、化学的、形態学的に定性、定量分析を行って検査することをいう。
【意義・目的】尿中に排泄される異常物質(蛋白、糖、アセトン、ヘモグロビン、ビリルビン、赤血球、円柱、細菌など)の量、質を検査することにより、腎、心、肝、尿路、内分泌腺などの臓器の活動状況や、異常状態を知るうえでの指針となる。
【検査法・評価】代表的なものを列挙すると以下のようである。
蛋白質:尿蛋白定性、定量(同項参照)。
等質:尿糖定性、定量(糖尿病、肝疾患、内分泌疾患などの診断)。
ケトン体:ケトン体定性(同項参照)。
胆汁由来系:ウロビリノーゲン定量、ビリルビン定量(同項参照)。
インジカン:(同項参照)。
ジアゾ反応:(同項参照)。
先天代謝異常症:尿スクリーニング検査(新生児に先天性代謝異常が疑われる場合に、その原因となる物質を知るための検査)。
バニールマンデル酸:VMA定性(褐色細胞腫、神経芽細胞腫の診断)。
5‐ヒドロキシインドール酢酸:5-HIAA(カルチノイド症候群、ダンピング症候群の診断)。
メラノーゲン:メラニン定性(同項参照)。
ポルフィリン系:ポルフィリン定性、分画定量(同項参照)。
尿細菌:尿細菌検査(同項参照)。
尿沈渣:尿沈渣顕微鏡検査(同項参照)。
尿中FDP:線維素分解産物測定(同項参照)など。
体液中の異常物質は腎を経て早期に尿中に排出される場合が多く、しかも尿検査は苦痛を与えることなく簡単に検査ができるので、診断上欠くことのできない検査法である。