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尿中ビリルビン

【読み】
にょうちゅうびりるびん
【英語】
urine bilirubin
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】老化赤血球は主に脾その他肝、骨髄において破壊され、血色素のヘムは細網内皮細胞によってビリルビンに変換される。このビリルビンは水への溶解性が小さいため、アルブミンと結合し運ばれ、間接ビリルビンとよばれる。この間接ビリルビンは肝にてグルクロン酸と抱合して直接ビリルビンとなり、胆汁中に排泄される。
 閉塞性黄疸、肝細胞性黄疸では直接ビリルビンが血中に停滞し血中濃度が2.0~3.0mg/dl以上に上昇すると尿中に排泄される。溶血性黄疸では間接ビリルビンの血中濃度が上昇するが、これは水に溶けにくく腎糸球体を通過できないので尿中には出てこない。
【適応疾患名】閉塞性および肝細胞性黄疸。
【正常値】陰性。
【評価】尿中に検出されるビリルビンは直接型であり、間接型は尿中にはみられない。したがって、溶血性黄疸では通常尿中ビリルビンは陰性である。閉塞性黄疸あるいは肝細胞性黄疸では直接ビリルビンが血中に上昇するので、それが2.0~3.0mg/dl以上になると尿中に現われてくる。したがって、尿のビリルビン検査は黄疸の鑑別診断ならびに病状経過判定に重要である。