捻髪音
- 【読み】
- ねんぱつおん
- 【英語】
- crepitation
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】 毛髪を指頭で挟んで揉んだときに発する摩擦音のことをいい、医学的には骨折部の骨断端のような比較的硬い組織の粗造な面が摩擦されたときにこのような音が発せられるので、種々の疾患の診断に利用されている。
【適応疾患名】 触知される疾患としては口腔領域では顎骨骨折、皮下気腫がある。顎骨骨折では骨折線が存在するため、顎の運動時に種々の運動障害、咬合痛、摩擦音、軋轢音などの諸症状とともに捻髪音が触知される。
また皮下気腫を圧迫すると結合組織内の気泡から発生する捻発音様の雑音を触知、あるいは聴取することができる。この疾患は頬を膨らます際に口腔内圧の上昇により耳下腺導管が拡張されて腫脹を生ずるもので、この疾患には腫脹、捻髪音の他に特徴のある症状がないのでこれらは重要な診査項目となっている。
なお、皮下気腫における捻髪音は特に気性捻髪音という。