肺シンチグラフィ
- 【読み】
- はいしんちぐらふぃ
- 【英語】
- lung scintigraphy
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】【1】肺血流シンチグラフィと、【2】肺換気シンチグラフィがある。前者は静注投与した放射性医薬品の肺への分布が肺血流量に依存することを利用して、肺の血流分布の異常の有無を知る。後者は肺閉鎖回路を通じてガス状の放射性医薬品を吸入させて、肺局所の血流と肺気動態を測定する。
【適応】
1)肺血流シンチグラフィ:毛細血管レベルの肺塞栓の診断と治療効果の判定。局所的肺血流障害の有無とその範囲の決定。肺気腫、肺腫瘍、気管支拡張症患者の術前検査などに適応される。
2)肺換気シンチグラフィ:肺内の放射性ガスの分布状態から局所的な換気不良部位を診断する。
【検査法】
1)肺血流シンチグラフィ:【1】放射性医薬品には99mTc大凝集ヒト血清アルブミン(MAA)を使う。74~148MBq(2~4mCi)を静注する。【2】静注直後からシンチカメラで撮像する。正面、背面、左右側面の4方向の検査が必要。
2)肺換気シンチグラフィ:【1】放射性医薬品には133Xeガスを使用。【2】患者は座位で、閉鎖回路133Xeガスを吸入せ、吸入相を撮像。【3】そのまま5~10分呼吸を続けて平衡相を撮像。【4】室内空気を呼吸させて洗い出し相を5~10分撮像する。
【評価】
1)肺血流シンチグラフィ:肺血流の低下部位が欠損像(cold image)となる。部分的欠損(肺塞栓、肺気腫など)と一側性欠損(気管支異物、肺門型肺癌など)がある。
2)肺換気シンチグラフィ:吸収相欠損(気管支癌や異物による完全閉塞など)と洗い出し遅延(気管支不完全閉塞、肺気腫など)がある。