17‐ハイドロキシコルチコステロイド
- 【読み】
- いちなな‐はいどろきしこるちこすてろいど
- 【英語】
- 17-hydorocorticosteroid, 17-OHCS
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】C17位に‐OH基をもつcortisol(F)、cortisone(E)、11-deoxycortisol(S)とそれらのA環還元tetrahydro化合物を含み、17-OHCSと総称され、副腎皮質からglucocorticoid分泌の指標とされる。
【意義・目的】C21ステロイドのC17位における17、21-dihydroxy-Ketone側鎖がphenylhydrazineと反応して黄緑色を呈する反応(Porter-Silber(PS)反応)を利用する。
【検査法】
1)血中17-OHCSの測定法
血漿10mlを有機溶媒で抽出、アルカリ洗浄、硫酸酸性溶液中でphenylhydrazeineと反応させる。
正常値は11.8±5.9μg/dl、12.8±6.4μg/dlと報告者によって若干の差がある。
2)尿17-OHCS
24時間尿の副腎からのコーチゾル分泌量を測定する。尿を硫酸または苛性ソーダでpH5~6にし、p-glucuronideを加え、incubationして加水分解、有機溶媒で抽出し、硫酸phenyldrazineを加え、410mμで比色する。
【正常値】測定方法、抽出率、PS反応の干渉物質の除去、標準物質の選択などにより、報告者によってバラツキがあり、各測定施設で正常値が異なる。男:6.3(3.6~9.0)、女:4.4(2.4~6.4)mg/day
【結果・評価】尿17-OHCSは、新生児期から漸次増加し、15~40歳で最大となり、以後次第に減少する。測定上注意することは、24時間尿を正確に蓄尿する。4℃で1週間は安定であるが、室温では3日で不安定となる。pHが高くなると不安定で、硫酸酸性にしてpH5以下にする。あるいは硫酸水素ナトリウムを2g/lの割合に加え、氷室で保存すると1ヵ月以上安定である。種々の薬剤がPS反応に影響するので、成績の判定に考慮する必要がある。できれば薬剤の投与を中止するのが望ましい。アスコルビン酸、糖、ビリルビンは、色素に影響を与えるので注意する。Cushing症候群では増加する。