肺胞機能検査
- 【読み】
- はいほうきのうけんさ
- 【英語】
- alveolar function test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】換気により肺胞に達したガスの肺胞における気相から液相への移行の状態からガス交換の機能を推測することができる。
【検査法】
1.気相側の検査
1)肺胞内ガス分布測定
【1】反復呼吸窒素洗い出し法。
【2】O21回呼吸法。
【3】クロージング現象。
【4】アイソトープを利用する方法。
【5】ヘリウム平衡法。
2)O2摂取量(Vo2)・Co2摂取量(VCO2)
【1】ダグラスバック。
【2】Knipping呼吸計。
【3】Scholander微量ガス分析器。
3)肺胞気O2分圧(PAO2)肺胞気Co2分圧(PACO2)
PAO2=PIO2-PACO2÷R
PIO2:吸入O2分圧 R:ガス交換率
4)肺胞拡散能力(DLCO)
【1】1回呼吸法。
【2】再呼吸法。
【3】恒常法。
DLCO=VCO÷PACO
2.液相側の検査
1)動脈血のO2、Co2含量。
2)動脈血O2分圧、Co2分圧。
3)動脈血O2飽和度。
4)動脈血pH。
【結果・評価】
1.気相側の検査
1)肺胞内ガス分布測定:吸入ガスは重力の影響で肺底部に多く流入し健康な肺でもガス分布は不均等になる。障害がある場合不均等分布が大きくなる。
2)O2摂取量(Vo2)、Co2摂取量(VCO2):肺機能がある程度障害されても基礎代謝量の影響や肺のもつ予備能力のためVo2・VCO2に明らかな変化がないことが多いが、運動負荷により肺機能障害を知ることができる。
正常値:Vo2STPD=240ml/min
VCO2STPD=190ml/min
3)肺胞気O2分圧(PACO2)肺胞気Co2分圧(PACO2):PAO2とPaO2の較差A-aDO2、PACO2とPACO2の較差a-ADCO2の増大は換気血流比不均等分布や拡散障害を示す。
4)肺胞拡散能力(DLCO):肺胞内のO2が肺胞壁、間質、毛細血管壁、血漿、赤血球膜を通ってHbに到達するまでの能力で一般にCOが指標とされる。
正常値:20ml/min/kg
減少:サルコイドーシス、肺気腫症、肺線維症、貧血、CO中毒、メトヘモグロビン血症。
増大:心房中隔欠損症、ボタロ管開存症、赤血球増多症。
2.液相側の検査