白血球ペルオキシダーゼ反応
- 【読み】
- はっけっきゅうぺるおきしだーぜはんのう
- 【英語】
- peroxydase reaction of the white blood cells
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】ペルオキシターゼは、骨髄系細胞である顆粒球(好塩基球、好酸球、好中球)と単球のライソゾーム中にある酵素で、リンパ系細胞では欠如している。したがって、白血球ペルオキシダーゼ反応は、骨髄系細胞とリンパ系細胞の識別に用いられる。
【適応疾患名】白血病。
【検査法】各種の基質にH2O2を加えてペルオキシターゼと反応させ、基質の酸化物による発色状態を観察するが、ここではその代表的なものとして、FDA改良法(重松法)を記す。
1)血液または骨髄塗抹標本の作製。
2)標本を0.5%CuSO4液で固定(2~5秒)
3)固定液を捨て、反応液を載せる(2~3分)。反応液は2.7フルオレンジアミン飽和Tris‐HCI緩衝液10ml、1%H2O2液1滴、20%Al2(SO2)2・16H2O3~4滴の割合で使用直前に調整したもの。
4)水洗、サフラニンO液で後染色(2分)
5)水洗、乾燥。
6)検鏡。陽性の場合は、鮮明な青色顆粒をみる。
【結果・評価】正常血球のうち、ペルオキシダーゼ反応陽性を示すのは、各種の熟成段階を示す顆粒球と単球で、その他のリンパ球や赤芽細胞などは完全な陰性を示す。しかし、単球の反応は好中球より弱く、芽球の段階すなわち骨髄芽球と単芽球はきわめて未熟なものは陰性で、ある程度成熟し前骨芽球または前単球に近づくと陽性になる。
これらの所見は、白血病細胞でも適応され、特に急性白血病の病型分類にはきわめて有用である。すなわち、AFB分類では、骨髄標本の芽球の陽性率が3%以下の場合を急性リンパ性白血病(ALL)、3%以上を急性骨髄性白血病(AML)と診断する。このことは、ALLの骨髄中にも正常な骨髄芽球や前骨髄球が3%程度は認められ、AMLの場合の骨髄芽球または単芽球は最大97%までは陰性を示す可能性があることを示している。