発語明瞭度検査法
- 【読み】
- はつごめいりょうどけんさほう
- 【英語】
- articulation test in pronunciation
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【同】発音明瞭度検査法、語音発語明瞭度検査法
【意義・目的】発語明瞭度検査法は構音障害の程度、あるいは言語治療の効果を客観的に評価するために被検者の発音を複数の検者が聴取し、その結果を集計して被検者が発音しようとした語数に対する正しく聴取し得た語数の百分率として表す方法である。
【適応】言語障害特に構音(調音)障害を有する患者の障害の程度、補綴的治療や外科的治療前後の治療効果を数量的に比較する場合に適する。
【検査法】対称とする言語障害の種類に応じて、被検音の種類(単音節から5音節)、被検者の配列(random法、order法)、被検音数(67音節~100音節)、検者の数(3名から10名)、表記法(仮名文字、ローマ字、国際音声記号(IPA))などが異なる。
最も一般的な方法としては、日本語109語音のうち9音を除いた100音節(清音、濁音、半濁音、拗音)をランダムに配列した検査語表を1音節につき約2秒間隔、SN比50~60dBにて被検者に音読させ、口腔前方約20cmに配置したマイクロフォンからテープレコーダーに録音する。後日録音テープをSN比50~60dBにて再生し、日常被検者に接することのない健聴者10名に聴取させ、最も近い日本語音として仮名表記させ、被検者が発音しようとした語数に対する正しく聴取し得た語数の百分率を求める。そして各検者から得られた結果のなかで最高値と最低値を除き算術平均したものをもって発語明瞭度とする。
また異聴傾向を求める場合にはこの結果を縦軸に被検音、横軸に聴取音をとるconfusion matrixに表わし、さらにこれらの結果を子音別、母音別、構音点別、構音様式別に分析する。
【結果・評価】全音の語音発語明瞭度は97%~100%が異常、71~96%が軽度言語障害(被検者の言葉について特に注意を払わなくても大略理解できる)、36~70%が中等度言語障害(十分注意していないと理解できない)、0~35%が高度言語障害(十分注意してもなにを言っているのかほとんど理解し得ない)とされている。また、検査目的によって子音別、母音別、構音点別、構音様式別明瞭度として表わすこともある。