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パノラマX線撮影法

【読み】
ぱのらまえっくすせんさつえいほう
【英語】
panoramic radiography
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】総監X線撮影法、歯科パノラマ(X線)撮影法
【定義】上・下顎の歯列弓ならびに顎骨を1枚または2枚のフィルム上に展開し総監できる撮影法の総称名である。この方法は断層方式と口腔内線源方式に大別される。
 断層方式はアームの両端に固定されたX線発生器とフィルム保持器を被写体をはさんで対向させ回転して撮影する方法で、細隙撮影法と断層撮影法との原理に基づいて歯列弓ならび顎骨が抽出される。口腔内線源方式は小焦点をもつX線管球を口腔内に挿入し、上顎または下顎の下顎の外側にフィルムを圧定して撮影する方法である。
【意義・目的】口内法では全顎を撮影するために10~14枚のフィルムが必要であるのに対して、パノラマX線撮影法では1枚または2枚のフィルムで全顎を抽出できる。
 パノラマX線撮影法の中では、断層方式は1枚のフィルム上に全歯、歯槽骨、顎骨体部、下顎枝、顎関節部、鼻腔、上顎洞、眼窩、頬骨や頬骨弓など広範囲の領域の抽出にすぐれ、これら領域の病変が診断できる。一方、口腔内線源方式は上・下顎を別々に撮影する方法で、断層方式は前歯部が頸椎の障害陰影と重積して鮮明な画像が得られないのに対して前歯部の抽出にすぐれる。断層方式と比較して抽出する領域は狭いが、一般に全歯、歯槽骨、顎骨骨体部、鼻腔や上顎洞の下部が抽出され、前歯部を中心としたこれらの領域の病変の診断を目的とする。