PAP法
- 【読み】
- ぴーえーぴーほう
- 【英語】
- peroxidase-antiperoxidase method
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】本法は免疫組織化学的染色法のうち、未標識抗体法により抗原と結合した抗体の部位を認識する方法である。この方法は従来の特殊染色法よりも優れ、通常の組織切片も使用できて、ホルモン、ウイルス、免疫グロブリン、癌胎児抗原など多くの抗原物質の同定に用いられる。
【検査法】10%ホルマリン固定パラフィン切片を脱パラフィンし、リン酸緩衝生食水(PBS)で洗浄、内因性ペルオキシダーゼ阻止後、PBS洗浄、蛋白非特異吸着阻止、第1次抗体15分間反応させ、PBSで10分間洗浄、第2次抗体を15分間反応させる。10分間PBS洗浄、PAP複合物を15分間反応させ、PBS洗浄後ジアミノベンチジン(DAB)により発色反応を行い、流水で洗浄し、1%メチルグリーンで核染色後、脱水、封入する。
【結果・評価】陽性部位は茶褐色に染色し、背景は緑色(メチルグリーン)となる。メチルグリーンの代わりにヘマトキシリンを使えば青紫色を示す。
染色された標本の陽性部分がすべて特異的と考えるのは危険である。染色結果の特異性を確認するために対照標本を作製すべきである。
またPAPは分子量が大きく凍結切片を用いた免疫電顕法には避けたほうがよく、抗原と抗体の結合様式からも、検出する抗原の量が多い場合、2次抗体の抗原結合部位が全部ふさがれてしまい偽陰性の染色結果を引き起こすので注意しなければならない。