鼻咽腔閉鎖機能検査
- 【読み】
- びいんくうへいさきのうけんさ
- 【英語】
- evaluation of velopharyngeal function
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【意義・目的】鼻腔と口腔との交通路である鼻咽腔は安静時には鼻呼吸を妨げないように開放状態になっているが、発音、嚥下、ブローイング（blowing）、嘔吐などの機能時には軟口蓋、咽頭側壁および咽頭後壁の運動により閉鎖され、鼻腔と口腔とが遮断される。この機能を鼻咽腔閉鎖機能という。発音時に鼻咽腔閉鎖機能不全が生じると鼻腔と口腔が連続し、口腔内圧上昇不足による破壊音の歪み、脱落、音声の鼻腔への共鳴による鼻音化、および異常構音の出現などの特徴的な言語障害を呈する。鼻咽腔閉鎖機能検査の目的はこのような言語障害の原因となる鼻咽腔閉鎖機能不全の有無および程度を正確に診断し、治療に役立てることにある。
【検査法】
1）流体力学的方法：ブローイング検査およびマノメーター、鼻息鏡、差圧流量計、フローネーザリティグラフなどによる口腔、鼻腔からの呼気の流速、流量、圧力の測定。
2）後鼻鏡、nasendoscope、鼻咽腔ファイバースコープによる口腔側あるいは鼻腔側からの鼻咽腔部の観察。
3）聴覚的印象による開鼻声の判定。
4）側面、正面頭部X線規格写真およびX線映画による鼻咽腔の形態・機能の観察。
5）その他：筋電図による分析、超音波による咽頭側壁の運動様式の観察、サウンドスペクトログラフ、周波数分析器による音響学的分析、鼻咽腔閉鎖圧測定装置による閉鎖強度の測定。
【結果・評価】以上の検査のうち、鼻息鏡所見、鼻咽腔ファイバースコープ所見、ブローイング検査所見および音声の聴覚的印象を組み合わせるのが一般的である。