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微生物学的定量法

【読み】
びせいぶつがくてきていりょうほう
【英語】
microbiological assay
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【同】微生物学的検定法、生物学的定量法
【意義・目的】微生物を利用して抗生剤、ビタミン、アミノ酸などの定量を行うことである。
 医学領域においては、抗生剤の微生物に対する抗菌力を利用して、力価測定を行う場合などに用いる。定量に際しては試験菌、培地、溶解方法、希釈液などはさまざまであるが、比較的簡単でかつ微量で測定できるため、抗生剤の力価測定のみならず抗菌スペクトルの決定、病原菌の薬剤感受性試験、抗生剤などの血液、臓器および組織内濃度などの体内分布、あるいは食品中の抗生剤の定量にまで広く利用されている。
【検査法】抗生剤の力価測定や血液中濃度測定を行うための微生物学的定量法は抗生剤の力価と細菌発育阻止帯との間に一定の関係があることを利用した拡散法や希釈法などがある。拡散法としては円筒平板法、感受性ディスク法(濾紙法)が用いられている。
1)円筒平板法(cylinder plate method):日本抗生物質医薬品基準の力価試験法に用いられ、微生物学的定量法における代表的な測定法である。内径90mmのペトリ皿に基層用肝手培地を分注し、試験菌液の適当量を加えた積層用寒天培地を基層用寒天培地上に流して固める。そのうえに4個のステンレス製の円筒を等間隔に置き、これらの円筒のなかに試料液を満たし、32~35℃で16~18時間培養した後に生じた阻止円の直径を計測する。
2)感受性ディスク法(paper disc method):円筒平板法における円筒の代わりに、抗生剤をしみ込ませたペーパーディスクを試験菌を接種した寒天平板上に置き、培養後に生ずる阻止円直径から力価を測定する。感受性試験で最も多く用いられる方法である。希釈法としては最小発育阻止濃度(MIC)法や比濁法がある。
【結果・評価】円筒平板法では、培養後に生じた阻止円の直径を0.5mm以下までできるだけ正確にはかり、その阻止円直径から効力検定計算図表や標準曲線を用いて力価を求める。