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ビリルビン検査(血液、尿)

【読み】
びりるびんけんさ(けつえき、にょう)
【英語】
birirubin(in serum or urine)
【辞典・辞典種類】
歯科臨床検査事典
【詳細】
【意義】ビリルビンは胆汁色素の主成分であり、大部分が網内系で崩壊している赤血球(主に老化赤血球)のヘモグロビンの分解により生成されるほか、それ以外のヘム蛋白からも作られる。産生されたビリルビンは水に不溶性で非抱合ビリルビン(間接ビリルビン)と呼ばれ、アルブミンと結合して循環系を輸送され肝細胞に取り込まれる。そこでグルクロン酸抱合を受けて水溶性の抱合ビリルビン(直接ビリルビン)となる。続いて抱合ビリルビンは胆汁へと排泄され腸管に至り、腸内細菌の作用を受けてウロビリノーゲンは胆汁へと排泄され腸管に至り、腸内細菌の作用を受けてウロビリノーゲンに変化し、その大部分は糞便へと排泄される。一部は腸管から再吸収されて肝から胆汁へ再排泄(腸肝循環)され、さらに残りの微量が尿中に排泄される。以上のようなビリルビン代謝過程において、異常のために血中にビリルビンが貯留すると黄疸が現われる。すなわち黄疸はビリルビンの生成から肝細胞における抱合までの代謝異常では間接ビリルビンが優位、抱合以後の異常が主な場合では直接ビリルビンが優位の高ビリルビン血症となる。したがって、ビリルビンの分画測定は各種肝疾患、黄疸の鑑別診断に重要な検査である。
【適応疾患名】各種肝疾患、黄疸の診断と鑑別。
【検査法】
1)血清ビリルビン:一般的な方法としてビリルビンがジアゾ試薬と反応して生ずるアゾビリルビンを比色定量する。抱合ビリルビン(直接ビリルビン)は直接アゾ試薬と反応してアゾビリルビンとして定量できるが、非抱合ビリルビンはアゾ試薬と反応しにくいので、アルコールなどで処理後、ジアゾ試薬を加えると非抱合および抱合ビリルビンの両方が反応する。この総ビリルビン量から直接ビリルビン量を差し引いた値を非抱合ビリルビン(間接ビリルビン)量とする。
【正常値】血清総ビリルビン1.0mg/dl以下、直接ビリルビン0.2mg/dl以下、間接ビリルビン0.8mg/dl以下。
【評価】血清ビリルビンが2~2.5mg/dlを越すと黄疸が現われる。その病因はビリルビン分画の相違に基づいて鑑別することができる。
【検査法】
2)尿ビリルビン:通常は各種酸化試薬によりビリルビンを酸化して生じるビリベルジンの緑色を陽性とする(Gmelin法などがある)。
【評価】非抱合ビリルビンは尿中へは排泄されないので、陽性例では抱合ビリルビンの上昇による黄疸である。