フェノールスルホンフタレイン色素排泄試験
- 【読み】
- ふぇのーるするほんふたれいんしきそはいせつしけん
- 【英語】
- phenolsulfonphthalein test, PSP test
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科臨床検査事典
- 【詳細】
- 【定義】人体に投与されたフェデノールスルフォンフタレイン(PSP)は、体内で分解されることなくそのほとんどが腎から速やかに尿中へ排泄される。その大部分は近位尿細管の分泌、一部は糸球体の濾過により排泄される。したがって、PSPの尿中排泄量は腎血流量、近位尿細管の機能、糸球体の機能に左右されることになる。PSP色素排泄試験は尿中に排泄されたPSPの量に基づいて、以上のような腎の機能を評価するための検査法である。
【実施法】
1)排尿させて膀胱を空にした後、尿量を多くするために、約500mlの水を飲ませる。
2)30分後にPSP溶液1.0ml(PSP6mg)を正確に静注する。
3)注射後15、30、60、120分に採尿する。
4)採った尿は各々、水酸化ナトリウムを数ml加えて発色させ比色定量し、各時間までに投与量の何%が排泄されたかを累積%で示す。
【評価】PSP色素排泄試験は15分値が腎機能をよく反映し、特に腎血流量とよく相関する。以上より、15分値が一般に用いられる。
【正常値】
15分値 平均35%(25~50%)
30分値 平均50%
60分値 平均65%
120分値 平均70%
腎機能の低下は一般にPSP排泄の低下を示す。しかしながら、腎以外の因子によってもPSP排泄は影響される。PSP試験15分値の低下を来す疾患として、まず腎前性の疾患では、浮腫、脱水などがあり、腎性のものでは腎実質障害やショックなどによる腎血流減少が上げられる。まれに腎後性の尿路異常として前立腺肥大、妊娠などがあげられる。PSP試験15分値は腎機能がある程度以上障害されると尿中にほとんど排泄されないため、本試験法は意義がなくなる。その場合はクリアランス法などにより評価すべきである。